第1回レンズサポート①
REPORT◉田村雄介

時は戦国、群雄割拠の争いの中、次々と疲弊していく世の映像作家。 戦場と言う名の業界はスペックシートを読んで一喜一憂の大戦末期ぶり。 やれあれが良い、やれこれが最高。えすえぬえすで勝鬨をあげては兵糧が底をつく始末。 そんな乱世の端っこで、いつ死んで(打ち切られor炎上して)も構わぬという気概の元に立ち上がったこの小さな連載。 名は体を表すと言わんばかりに毎度毎度「新コーナー」とうそぶきながらニッチな機材群をバッサリ斬って いきたいなぁ僕ぁ。という話です。多分連載、「新コーナー」。 いつまでネタが続くかわからないんだよなぁ。

 

キヤノンEOS 5D MarkIIやニコンD90から始まるいわゆる「DSLR組」がドババッと映像業界に参入してからはや10年。かくいう僕もそんなDSLR組の一人。10年の間で様々な機材は着々と進化し、今では様々な機材やソフトウェア、さらにはシネマカメラそのものまでがとても身近になった優しい世界。

しかし……ステップアップするたびに必要となっていく細かい機材達。必要に迫られて導入しては失敗失敗また失敗。買ったり売ったり買ったりぶっ壊したり。色々揃えていくも負担は増すばかり。なんせ「細かい」とか「身近に」なんて言っても一つ一つの値段は個人所有するにはなかなかハードルが高いものばかり。ましてや細かい機材なんていうのはカメラ以上に絶対数が少ないため、価格も強気でズンズン口座に肝臓打ちをめりこませてくる。

痛い。悶絶しながら揃えるにしたってもう少しなにか明確な情報が欲しい……と思っているソロプレイヤーはとても多いのではないだろうか。僕です。そんな僕にフィットするような情報をちょいと共有しませんか? というコラムです。

第一回はレンズサポート。地味ィ!!

ところで今回のレンズサポート編からもちろん実用性が第一。

とはいえカッコいい機材って使ってるとテンション上がるじゃないですか? やる気でるじゃないですか? 大事。超大事。そこらへんももちろん大いに加味しながら進行します。

ネット上でこういうこと言ってるとSNSに万と蠢く機材ポリスにしょっぴかれること必至ですが、しょっぴいてもらって結構! 檻の中でギンバルスクワット3万回! それよりも日本はそういう細かい情報が少なすぎる! いっそ燃えろ!

器となるカメラは今回、BlackMagic URSA Mini 4.6K。

個人所有機。そこに下ごしらえとして、SmallRigのショルダープレートカーボンロッドを差し込み。

レンズは3本。
・ZEISS Lightweight Zoom LWZ.3 21-100mm/T2.9-3.9 T*
・SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art
・SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art

ソロプレイヤーになんとか手が届く価格のシネズームと、三脚座を外したり付けたりできる大物スチルレンズ。そこに今時の標準ズームレンズと言って間違いないSIGMA 18-35mmを用意してレッツクッキング!

(本当はFS7やFS5、EVA1とかBMPCC4KとかFUJINON MK18-55mm T2.9等々用意したかったが今回は時間や色々な都合もあり割愛…無念!レンズマウントの高さも違うし色々バリエーションを出したかったのだけどそれはまた別の機会に)

そして器に合わせるお題の食材はキノコでいうと大体椎茸から舞茸まで。くらいの価格幅。さすがにレンズサポートくらいの機材だと松茸クラスはいない様子。お味はどちらも調理次第。どれも美味さアリ。

まず前提としてこのクラスのレンズサポートのレンズ固定方法は大まかに2種類。

レンズを下から押さえつけるY字タイプかガッチリネジでロックするタイプ。

加えてY字タイプにはバンドを噛ませてレンズをグルッと覆ってロックするものもある。

今回Y字にバンドを噛ませるタイプは用意できなかったので、ネジロックタイプ・Y字タイプ・ハイブリッドタイプが2つの4種がエントリー。

ハイブリッドタイプはパーツの付け替えでどちらのタイプも運用可能になるという代物。というわけで4種類を順番に紹介したいと思います。

Bright Tangerine


15mm LWS Lens Support with 1/4″ & 3/8″ Posts – Morrissey

僕が2番目に購入したレンズサポート。製品には1/4だけのものと3/8だけのものと両方同梱のものと3種類あるけど、ここは2000円ほどケチらずセット品を買うのがオススメ。絶対後から違うネジ径も必要になるから……なるから!(今まで多種多様な機材で何回同じ思いをして幾度送料を無駄にしたことか……)

同梱物は本体、レンズ接続用のポスト2種。

これの長所はとにかくカッコいい。カッコよすぎる。BrightTangerineを初めて見たときは、ゲェーッ! 派手ぇ! 主張強すぎぃ!! だったのだけど、時が経つにつれて201X後半年度版、憧れの機材ブランドランキング上位に鎮座するように。とはいえ実際使ってみると……あらあらおやや?  実にスマート。使いやすい!


後述することになるけどこの横から滑り込ませる方式が色々なケースでとても重宝することになる。そして主に下側に集中するBTオレンジ……はぁ……カッコイイ。

ユーティリティー性もなかなかのもので左右に最近流行り気味なARRI仕様の回り防止ロックピン対応の3/8穴が空いている。1/4ネジを使用時は3/8ネジをねじ込んでおくことも可能。ネジのカラーも干渉せず実に綺麗に収まる。

第1回レンズサポート②に続く