【Creator’s Review】簡単操作でデータを復元!ワンダーシェアーRecoveritの実力は?


PCストレージはもちろん、SDカードなどの記録メディアで誤って消してしまったデータを復元できるというRecoverit。ビデオグラファーのだいげんさんがいろいろなカメラのデータ復元を検証してくれた。

 

レポート●だいげん

北海道生まれ。大阪在住。2018年に9年間勤めた製薬会社を退職し、動画制作会社BLUE BANANA WORKSを設立。企業PVやMVを手がける傍ら、ビデオグラファーを応援するYouTubeチャンネル「TV DAIGEN」を開始。編集ソフトのチュートリアルや撮影・編集のコツを中心に配信。2022年12月現在、登録者数は3.7万人に。自らのチャンネル運営のノウハウを活かし、企業のYouTubeチャンネルのプロデュースも手がける。

 

 

データ復元ソフトRecoveritとは?

ワンダーシェアーRecoverit
月額7,980円〜(Mac版)
月額5,980円〜(Win版)

RecoveritはPCストレージはもちろん、SDカード等の記録メディアから消去してしまったデータも復元できる。無料版は100MBまで。有料版(Pro、Ultimate)は容量無制限。最上位版のUltimateではクラッシュした・起動しないパソコンからのデータ復元も可能。ソフトは買い切りとサブスクで購入できる。料金等詳細はメーカー公式サイトで。

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対応ファイル

 

 

 

世にも恐ろしいバックアップ前のデータのうっかりフォーマット

忘れもしない3年前。自分のうっかりミスでデータを紛失…。撮影データを外付けHDDに保管していたつもりが実は保管しておらず、SDカードをフォーマットしてしまったのです。納品まで2カ月ほど期間がありましたが、データがないことに気づいたのは1カ月後。当然SDカードはフォーマットして他の撮影データが入っていました。やってしまった…。もう二度と味わいたくないあの一瞬時が止まる感覚。動画や写真を撮る人が一度は経験をしたことがあるだろう、SDカードやHDDのうっかりフォーマット。気づいた頃には時既に遅し…。あの当時、Recoveritを知っていれば…。

ということで、今回検証するのはワンダーシェアのデータ復元ソフトのRecoverit。Recoveritは3ステップで、簡単に写真・動画・音声データなどを復元できるというソフトなのですが、本当にフォーマットしてしまったデータを復元できるのかその実力を検証してみます!

 

カメラ、記録メディア、解像度を変えて撮影したデータの復元をしてみる

今回はフォーマットしてしまった記録メディアからデータを復元できるのか試してみました。①ニコンZ 30+SanDiskのSDカード(FHD)、②ソニーFX3+CFexpress カード TypeA(4K)、③富士フイルムX-H2+CFexpress カード Type B(8K)。今回は各カード、カメラで新しく写真(JPEGとRAW)・動画(.mp4か.mov)を20カット撮影し、そのデータがどれだけ復元されるのか検証してみます。

 

Z 30でSDカードに記録したFHDデータ

まずは①の組み合わせから。次ページの手順で復元を開始。写真ファイルはJPEG、NEF(ニコンのRAWデータ)共に100%復元していました。このSDカードは色々なカメラで使い回しているのですが、ソニーのαで撮影した2カ月ほど前の写真データも復元できたことに驚きました(おそらく何回かフォーマットしています)。

ですが、ここで問題が発生。FHDで撮影した.movのデータが復元できない…。そこで、動画の復元に強い「高度動画復元」を試してみました。すると20ファイル中19ファイル復元することに成功しました。さらに3カ月前に撮影した4Kデータも復元されています。

 

FX3でCFexpressカード TYPE Aに記録した4Kデータ

通常の復元を試してみましたが、何も復元しません。動画の復元に強い「高度動画復元」を試してみました。何も復元しません…。FX3のフォーマットやCFexpressカードTYPE Aと相性が悪いのだろうかと思い、試しに同じくソニーのα7 IVでSDカードをフォーマットしてみましたが、復元できませんでした。次に以前、Osmo Action 3で使っていたmicroSDカードをα7 Ⅳでフォーマットして試してみましたが、やはりこれも…。

 

X-H2でCFexpressカード TYPE Bに記録した8Kデータ

まずは通常の復元を試してみます。写真・動画共に復元できませんでした。高度動画復元を試してみると、こちらもZ 30同様20ファイル中、19ファイル復元できました。CFexpress カードType Bは写真データは復元できませんでしたが、高度動画復元であれば、8Kとデータ容量の多いデータでも復元することができました。

 

まとめ

今回の検証では.mp4で撮影したデータは復元できませんでしたが、.movで撮影したデータであれば半年以上前に撮影したデータでも復元することができました。データの復元は専門業者に依頼すると数十万円という費用がかかり、料金を支払ったとしても100%復元できるわけではありません。ならば万能ではないにしろ、まずは安価で使用でき、時間が経ってしまったデータも復元できるRecoveritを選択肢のひとつとして持っておいても良いのではないかと思います。一番確実なのは、しっかりとバックアップを取ることですが…。私もデータの取り扱いには細心の注意を払おうと思います。

 

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ストレージやメディアからのデータ復元の手順

PCと復元したい記録メディアをつなぎ、「HDDやデバイスから復元」で復元したいカードにマウスカーソルを合わせて「スキャン」をクリック。

 

すると、スキャンが開始されるので、しばらく待機。

 

スキャンが完了。ソフト画面右側にスキャン結果が表示される。

 

復元したいファイルを選択して「復元する」ボタンをクリック。

 

 

動画ファイル向けの復元機能も搭載

「高度動画復元」は動画ファイル復元に特化した機能。復元したい動画のファイル形式を指定したら後は同様の手順で復元していく。

 

Recoveritの詳細を見る

 

●Recoveritで復元できなかったデータは、ワンダーシェアのWEBサイトにあるサポートページ(https://support.wondershare.jp/)からサポートチームに連絡すればログ解析を行い、復元のサポートをしてくれます(平日24時間以内に返信してもらえるとのこと)。

vsw