連載●LiveEditingで行こう! マルチカメラ配信&収録向きの 家庭用ビデオカメラはどれだ!?


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文●川井拓也

株式会社ヒマナイヌ代表。配信チームLiveNINJA主宰。Ustream黎明期からマルチカメラによるライブ配信や収録を手がける。筆者のブログ●http://himag.blog.jp/

Vol.023 マルチカメラ配信&収録向きの
家庭用ビデオカメラはどれだ!?

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チームで配信や収録を行う現場では色々なメーカーのカメラを持ち寄って収録することも多いという川井さん。そんな時に困るのが各カメラで色味が違うこと。今回は業務用よりも比較的安価に導入できる家庭用ビデオカメラの色調整機能をチェックしてみた。

現場では色合せで困ることもしばしば

 複数台のカメラで撮影して後で編集する場合は、各カメラの色を後で合わせることができます。ところがマルチカメラをスイッチングしながら収録や配信をする場合、違うカメラのカットとカットが直接つながるので色が合ってないと不自然に見えます。今回は価格的にも入手しやすい家庭用カメラでマルチカメラを組む場合に色合せがしやすい機種はどれか? を調べてみました!

マルチカメラではホワイトバランスのK値指定が大切!

 各メーカーの家庭用カメラの最上位機種を借りてホワイトバランス回りをチェックしてみるとなんとK値で指定できるのはキヤノンG40とソニーのAX100だけという結果になりました。同じメーカーのカメラを集めてマルチカメラに使う場合はオートやワンプッシュでも色が合いやすいのですが、他メーカーに混ぜる場合はK値で動かしながら調整しないと色が合いません。K値の調整幅はキヤノンがもっとも広いですが、そこからの微調整に関してはソニーがグリーンマゼンダ軸とブルーアンバー軸の2軸で調整できて便利です。
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▲キヤノンHF G40のホワイトバランス設定
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▲ソニーFDR-AX100のホワイトバランス設定
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▲ソニーFDR-AX55のホワイトバランス設定
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▲パナソニックHC-WXF990Mのホワイトバランス設定
家庭用ビデオカメラの中ではG40とAX100がK(ケルビン)でのホワイトバランス調整ができるのでマルチカメラでの色合せに便利。それぞれ100K単位で調整ができるがG40は2000~15000K、AX100は2500~9900Kと調整幅が異なる。

各社のホワイトバランスシフト機能

 WXF990Mはシャープネス、色の濃さ、明るさ、WB微調整をそれぞれ10段階で調整できます。K値指定はないものの、他のカメラに色を近づけていくことはできます。ソニーのAX55は最上位機種のAX100に比べて調整機能は少ないもののWBシフトがブルーアンバー軸で8段階あるのでワンプッシュから近づけていくことができます。
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▲キヤノンG40
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▲ソニーAX100
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▲ソニーAX55
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▲パナソニックWXF990M
G40には「ピクチャー設定」という画質調整機能があり、色合わせの補助的に使える。ソニーはAX100はB(ブルー)-A(アンバー)、G(グリーン)-M(マゼンタ)、AX55には通常のWBシフトがある。WXF990Mは「画質調整」というメニューにWB微調整という機能がある。

キヤノンは録画中にホワイトバランスが動かせないという欠点がある!

 マルチカメラはHDMIのスルーアウト信号をスイッチャーでスイッチングしながら外部レコーダーで収録しますが、後で編集するために各カメラの録画も回しておくということがあります。この場合に困るのがキヤノンで、G40は録画をするとホワイトバランスが動かせなくなります。ソニー、パナソニックは録画中でも変更できます。
ホワイトバランスや色補正関連機能へのアクセス性
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▲G40は液晶と本体後部に4つのアサインボタンがあり、ホワイトバランスやピクチャー設定を割り当てればワンタッチで呼び出せる。
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▲AX100は本体側面にMANUALボタンがあり、長押しすると写真のようにホワイトバランスとホワイトバランスシフトを呼び出せて、ダイヤル操作できる。
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▲WXF990Mは側面のダイヤルを押すとホワイトバランスや画質調整機能を呼び出すことができる。ダイヤルを何度か押すと使える機能が切り替えられる。

ベストチョイスはキヤノンG40かソニーAX100の2機種!

 操作性ではキヤノンG40がもっとも業務用カメラに近いフィーリングでした。ソニーAX100はメニュー構造は家庭用ですが、調整項目は細かく心強いものがあります。パナソニックWXF990Mは慣れもあるのかもしれませんが、メニュー構造が少し複雑で咄嗟の判断を迫られるマルチカメラ収録や配信には向いていないように感じました。

各社家庭用ビデオカメラの色味調整機能一覧

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▲G40以外のカメラは録画中にホワイトバランス設定を変えることができる。ただ、ピクチャー設定で色の濃さを微調整することはできる。WXF990Mは録画中にメニュー操作はできなくなるものの、上で紹介したダイヤルでの操作は可能になっている。

●この記事はビデオSALON2016年5月号より転載
http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1573.html
●連載をまとめて読む
http://www.genkosha.com/vs/rensai/liveediting/