ホームビデオ体験から映像制作活動をスタート!人生の分岐点づくりのサポートをしていきたい

取材・文/編集部 一柳

 

中川典彌 さん https://agent-roman.co.jp/

 

 

中川さんの作品

『熊本市政令指定都市移行10周年記念 スペシャルムービー』

現代の熊本市にタイムスリップした加藤清正ら武将たちが驚きをもって体感していく。

 

 

『熊本県立劇場 40周年記念動画』

40周年という歴史の重みと劇場という厳粛さをイメージ的に表現した2分半のムービー。

 

 

きっかけはホームビデオ

カメラを買って映像制作をはじめて3年半で180本以上の自治体や企業のムービーを制作、熊本市のスペシャルムービーまで手掛けた中川典彌さん(映gent Ro.man)。映像を始めるきっかけはホームビデオだったそうだ。

「尊敬する祖父の米寿のお祝いの席で生い立ち写真のスライドショーと孫8人のビデオレターを作って上映したら、全員号泣するという体験をしまして、映像とはこれだけ感情を揺さぶることができるのかということを思い知った瞬間でした」

それまでIT企業でSEとして評価され役員になり、数カ月後に結婚式を控えた時に突然会社を辞めてしまう。

「誰かを想って残し(記録と制作)、届け(共有)、振り返る(回想)。これらすべてが合わさったときに自分がやりたいことはこれであり、人生が変わった気がして、そこで映像を仕事にしようと思ったんですよね」

 

人生の分岐点をサポートする

「今はSNSで不特定多数の人に発信することに注目が集まる世の中で、一番届けたい人に届けるということが忘れられがちな時代になってしまったと思うんです。自分はある人に向けて作ったものが感動を共有したり回想するきっかけになった体験をしたから、そちらにフォーカスして、人生の分岐点づくりのサポートをする映像制作をしていきたい。例えば企業のリクルートムー ビーを作り、仮にバズらなくても、一番のターゲット(企業が求める人材)の心に突き刺さったり、社長や社員を奮い立たせることができれば、そちらのほうが高い価値を生んでいると思います。だから僕は常に、そういうマインドで取り組んでいます」

 

並走し、共創する感じがする

熊本で生まれ育った中川さんだが、熊本に特にこだわったり地元愛が強いわけではなかったそうだが、「熊本に関わって映像を作るようになって熊本の魅力がより分かってきたし、地元に貢献する喜びも生まれました。東京からの大きい案件もやりますが、熊本の仕事は喜びの種類が違うというか、並走して共創する感覚があるんです」

企業にしてもこれまで縁のなかった業種とか人たちと親身になって付き合うようになるのが、映像制作の醍醐味だという。

「こういう仕事でもなければ話すこともないであろうと人と出会います。映像制作って関わった人たちと深くつながっていくきっかけになるというのが面白いなと思っています」

 

自分がイメージできれば作れる

映像制作は脚本、撮影、ドローン、編集すべて独学。

「自分がイメージできるものは作れると思っていて、知識とか技術、機材、環境は後でなんとかすることができるという逆算方式です。自分が全部やることによって、逆にプロの専門家の凄みもわかる。でも自分で全部やるメリットもあって、映像を依頼してくれた方との絆が深まるんですよね」

それにしても映像制作を始めて数年でここまで成長していくのは難しい。最後により大きな仕事をとっていくためのアドバイスをお願いした。

「とにかくひとつ絶対に誰かが泣ける作品、自分が絶対にいいと思う作品をつくり、届けるだけ。一人に刺されば、その人が自然と”作品や人柄”を軸に営業してくれます。最近は作品を見せる「空間」も用意しました。誰かにとって大切な映像を特別な場所で流す。そうやって人生の一部になれたらと思っています」

 

 

熊本の老舗のオフィスビルに映画館とバーとラジオルームを作る

熊本で一番歴史があるテナントビル(登録有形文化財)に映画館、バー、ラジオルームを作った。作品はスマホやPCではなく、この非日常的な空間の最上階の映画館でお披露目するというサービスを2年以上前に始めた。これが好評でここで自作をサンプルとして見せると成約率は100%だと言う。


 

 

撮影機材


カメラはソニーFX3。ひとりで撮影することが多いので、マイクはワイヤレス、もしくはガンマイクをジンバルのハンドルにつけている。

 

主な機材リスト

 

 

 

VIDEO SALON 2023年1月号より転載