商品撮影動画を楽しくバズらせる! 新星映像クリエイターコンビ

取材●編集部 片柳 文●村松美紀

PROFILE
和歌山県すさみ町を拠点に商品撮影をメインに活動する、DaichiさんとKeiyaさんによる動画クリエイターユニット。企業の撮影案件だけでなく、地元和歌山に根ざした映像も制作。

 

 

ガダバウツ’s PROJECT introduction

冒頭2秒のインパクトに全力を尽くす!

『ヨーグルトをCMっぽく撮ってみた』

2022年10月15日付でTikTokにて公開したショート動画。ガダバウツさん得意のCM風動画で、ヨーグルトにはちみつをかけたり、フルーツをふりかけたり、CMのようなシズル感を生かした演出を加えている。特にはちみつをとろりと垂らすシーンは必見。2023年4月時点で、31,400いいねを獲得。ガダバウツさんの作品の中で、上位の視聴回数を記録している。

@gad_abouts

皆さんはヨーグルトにハチミツかけるよね!?#物撮り #productphotography #productvideo

♬ Way Back Home (feat. Conor Maynard) [Sam Feldt Festival Mix] – SHAUN

実は、ヨーグルトではなく、はちみつを撮影したかったのがきっかけでこの動画を作成しました。僕たち、はちみつが好きだったということもあるんですが、トロッとしたシズル感を贅沢に綺麗に撮影したくて。それでたまたま事務所にヨーグルトがあって、今回の撮影を行うことになりました。

あと、CMなどで食品が上から落ちていくような演出ってあるじゃないですか。僕たちの動画は最初の2秒のインパクトを大切にしていて、今回はフルーツを上へ放り投げて落とす、という演出をしています。ただ上から落とすのではなく、オーバーな動きをすることで、最初の2秒のインパクトを作り出しています。

他にも、コメントで「ヨーグルトではなくてはちみつのCMじゃん」というコメントも多くもらいました。狙ったわけではないですが、何か突っ込みたくなる要素が入っていたことも、バズった要因のひとつになったのかと思います。カメラはソニーFX3で撮影しました。

 

開始してすぐにバズった動画

開始2秒のインパクトで興味を引きつけ、 ふたりの楽しげな撮影風景が入り、最後にどんなものが撮れたのかネタバラシ。仕上がりの商品写真のクオリティも高い。

@gad_abouts

さくらんぼ吊るしたらやばかった!!#tiktok教室ᅠᅠᅠᅠᅠ #ブツ撮り #あああつし

♬ おとせサンダー – ぼっちぼろまる

 

 

◆ガダバウツとはどんなクリエイター?

「今のプランを形にすることに勝算がありました」。自信をもって話すのはDaichiさん。Keiyaさんと出会ってガダバウツになるのはふたりの地元・和歌山での話だ。

Daichiさんは大阪で整体師として働いていた。「休日は観光地に出かけて撮影。思い出づくりとして動画制作とSNS投稿をしていました」。転職を考えていた頃に和歌山に帰省すると、映像クリエイターの人が移住してきたという情報を耳にし、一緒に仕事をすることでビジネスとしての映像制作を学んだ。時同じくして、和歌山の観光協会に勤務していたKeiyaさんも、一緒に映像の仕事をするように。その後、東京に行く選択肢もあったが、ふたりは地元に残り、発信活動に重きを置くことを決める。「TikTokなどSNSを活用した情報発信を通じて、影響力のあるクリエイターを目指しました」

選んだのは商品撮影などのブツ撮り。「海外ではブツ撮り系インフルエンサーはいましたが、日本にはおらず、勝機を感じました」。その言葉どおり、開始から2週間でTikTokにてバズった。「人気のアルコール飲料をモチーフにした動画で、いいね数やコメントも桁違いに多く、通常の400倍の再生回数を達成しました」

動画を作る際に意識していることは、最初の2秒のインパクトだという。先述の飲料の動画も「さくらんぼを大量に吊って水をかけることで、次は何が起こるんだろうと気を引いて、2秒直前で映像を切り替えることで離反を防いでます。僕たちの動画は心理学的に“見てしまう”設計にしているんです」と明かした。

ガダバウツの動画の特徴は、撮影風景が見えて、誰が見ても興味が持てる内容であること。「映像クリエイターの方というより、コンテンツが好きで視聴してくれている方が多いと思います」。目標に「TikTok 50万フォロワー」と掲げ、日々楽しい商品撮影動画を生み出している。

 

 

主な機材・ツール

ガダバウツさんの撮影スタジオ。

 

 

VIDEO SALON2023年5月号より転載