パナソニックはAU-EVA1の稼働機を日本で初公開した。7月上旬の同社After NAB展示会で取材させていただいた商品設計の白濱洋史さんに、実機を見せてもらいながら取材した。もちろんまだ最終形ではないのだが、実際に撮影できる状態にまで仕上がってきた。

EFマウントを採用したEVA1で、キヤノンのEFレンズを装着した状態。AFと絞りの動きはどうなのかというのが気になるところ。AFはさすがにお隣にあるEOS C200と比べられるレベルではなく、EOC C100などで言うところの「ワンプッシュAF」という感じで、撮影前に一度押すと、行きつ戻りつしてフォーカスが合うというもの。撮影しながらAFというレベルではない。ただ、IRIS制御のほうはかなりうまくいっていて、本体のダイヤルで滑らかに動かすことができる。これにはキヤノンブースの担当者も驚いていた。

液晶パネルは3.5型。特徴的なのは、キャラクターが画面に一切かかっていないということ。その分、キャラクターサイズはかなり小さくなるが、このようにパネルが見やすいためか視認性は高い。水準器もセンターや横にバーが出るのではなく、左右の端に目立たないように出るタイプ。ここにかぶせるようなフードやビューファインダーは純正では用意されていないが、サードパーティで現在開発中だという。

フォーカス合わせはこれまでのビデオカメラではピーキングが主流であったが、新しいフォーカスアシストの機能を採用している。緑の四角が大きいほどピントが合っているという表示で、これはVaricamにすでに搭載されている機能だという。この表示は映像出力からモニターアウトすることもできる。

グリップはソニーのFS5に近いタイプで、グリップを握っている親指でロックをリリースすることで、自由に回転させることができる。グリップのすぐ上にはLCDパネルへの専用接続ケーブルがある。

液晶パネルはこのように自在に動くだけでなく、ここから外して、ボディ上に直接ネジで装着することもできる。

ボディ後部にSDカードスロットが2つ。

ボディ横のHOMEボタンを押すと、液晶パネルはこのような表示になり、現状のステータスが一目瞭然でわかるだけでなく、変更を加えたいところは、その項目をタッチすると、パラメータが表示される。

こういったグラフィカルな設定は、ブラックマジックデザインがURSA MiniのCamera OSで採用していてビデオサロンでも絶賛してきたが、さっそくパナソニックもそれに近いUIとオペレーション方法を採用してきた。この表示であれば、どの出力からLUTが当たったものが出ているのかがパッと見て分かりやすいし、変更も加えやすい。

さて、気になるのがデュアルネイティブISOというVaricam譲りの機能だ。通常は一つのアナログ回路でISOを設定し、ISOを上げていくということはゲインをアップしていくということになるので、当然、少なからずノイズは増えていくことになる。デュアルネイティブISOは二つのアナログ回路を搭載することで、高感度撮影時でもゲインアップではなく、もう一つのアナログ回路を使うことで、高品質な映像が得られるというもの。Varicamでは、それがISO800とISO5000に設定されていたが、EVA1では、ISO800とISO2500に設定されている。

下はネイティブISOを2500にして、減感しているところ。屋外など明るいシーンではネイティブISOを800にしておき、暗いシーンではネイティブISOを2500にしておけば、S/Nのよい映像に仕上がる。

なお、EVA1とSIGMAのCINE LENSと組み合わせ時の挙動についてはこちらを参照。