コーワは、スポッティングスコープとしても使用できるテレフォトレンズ「PROMINAR 500mm F5.6 FL」を発売した。同社は2001年より、野鳥などのネイチャー撮影用にスポットスコープとコンパクトデジタルカメラ用アダプターを多数発売してきたが、近年のデジタル一眼カメラの普及に対応して、1本で超望遠レンズとスポットスコープ両方に使えるレンズを開発した。
一眼カメラ用の超望遠レンズといえば高価で重たいイメージがあるが、本製品は500mmというスペックで2kgを切る軽量・コンパクトさを実現。価格も30万円を切り、コストパフォーマンスの高い製品となっている。
レンズ本体。基本焦点距離500mmで重量が2kgを切る軽さを実現。マンフロットやジッツォ製の一部の雲台にクイックシューなしで装着可能な形状の三脚台座付き。
ニコンD300に装着したところ。マウントアダプターの交換により、キヤノン、ペンタックス、マイクロフォーサーズカメラに装着可能になる。
3つの焦点距離を使い分ける
この製品はコーワが提案する“新発想望遠レンズ”として開発されている。標準スペックは500mm F5.6だが、より明るい350mm F4(オプションマウントアダプターTX07使用)、あるいはより望遠効果の高い850mm F9.6(オプションマウントアダプターTX17使用)と、1本で3つの焦点距離を使い分けることが可能になっている。
レンズにはフローライト・クリスタル(蛍石)や特殊低分散性を持つDXレンズを採用した「PROMINAR」レンズを搭載。長焦点距離レンズで発生しやすい色収差(色にじみ)を極限まで抑えるとともに、高コントラストによるシャープな描写力を獲得している。また、高レベルで補正された収差と、円形絞りの採用による美しいボケ味などにより、すぐれた映像表現力を実現した。
マニュアルフォーカス時のピント合わせを確実に行えるよう、スポッティングスコープでも実績のあるデュアルフォーカス方式を採用。素早くピントを合わせるクイックフォーカスと、より細かなピント調節が可能なファインフォーカスの二つのピント方式により、超望遠撮影におけるシビアなピント合わせが確実に行える。コントラストの高い光学系も、ピントの山がつかみやすい。
フィールド撮影に対応するため、対物レンズ部にOリング、フォーカス部にラバーリングを採用し、防塵・防滴性を高めている。標準装備されるレンズフードは軽量設計で、照準機構を内蔵。取り付けネジを特殊な形状として、付属の照準駒と併せて使用することで、超望遠時の素早い被写体導入を助ける。
プリズムユニットとアイピース(ともにオプション)を装着し、スポッティングスコープとして使用した状態。
複数メーカーのカメラに対応、スポッティングスコープとしても活用できる
このレンズは複数メーカーのカメラでの使用を想定しており、マウントアダプターの交換により、ニコン、キヤノン、ペンタックス、マイクロフォーサーズ(パナソニック/オリンパス)のカメラに装着が可能になっている。マウントアダプターは交換が瞬時に行えるよう、バヨネットマウント方式を採用している。
また、オプションのプリズムユニットとアイピースをマスターレンズに接続することで、高性能なスポッティングスコープとして使用できる。プリズムユニットにもバヨネットマウント方式を採用し、「撮影」と「観察」の切り替えも素早く行える。さらに、スポッティングスコープの状態でオプションのデジタルカメラアダプターを接続すると、コンパクトデジカメによるデジスコ撮影が可能になる。デジスコ撮影では1000~3000mm(35mm換算)というさらなる超望遠が可能で、デジタル一眼とコンデジの使い分けで350mm~3000mmをカバーできることになる。
PROMINAR 500mm F5.6 FL
標準キット 希望小売価格¥299,250
マスターレンズキット 希望小売価格¥273,000
オプション
500mmマウントアダプター TX10 ¥26,250
350mmマウントアダプター TX07 ¥42,000
850mmマウントアダプター TX17 ¥52,500
プロテクトフィルター TP-95FT ¥16,800 2010年12月発売
プリズムユニット TP-88EC1 ¥60,900 2010年12月発売
コーワホームページ
http://www.kowa-prominar.ne.jp/