●VIDEO SALON2023年12月号は11月20日発売

 

文●編集部・伊藤

この特集でスポットライトを当てるのはインディーアニメ作家として活躍するクリエイターたちです。

「インディーアニメ」は個人や少人数が制作するアニメのことを指し、おもにMV制作などで活躍するクリエイターが多いジャンルです。

CLIP STUDIO PAINT をはじめとするペイントソフトの機能の進化や、無料で使える3DCG ソフトBlender の登場などによって、以前よりも格段に個人がアニメ制作に取り組みやすくなり、プロアマ問わずその人口が増えつつあります。

今回は、こむぎこ2000さんをはじめ、えいりな刃物さん、巡宙艦ボンタさん、かねひさ和哉さん、金属8gさん、idoさん、革蝉さん、まめすずさんにご協力いただき、技術的な制作手法はもちろん、現在にいたるまでたどってきた過程、アニメ制作上達のための習慣や、好きな作品を作り続けるためにしていることなどを掘り下げています。

作風も経歴も異なるインディーアニメ作家のみなさんが、どのように創作活動を続けてきたのかを1冊に凝縮しました。

さらに番外編として、『擬態するメタ』がはじめて企画から参加したプロジェクト『META TAXI』のインタビューも掲載しています。

また、今回取り上げたクリエイターの方々は映像分野だけでなくもともとイラスト方面の創作活動をしていたところからアニメを始めた方も多いので、まだアニメを作ったことがないけれど自分もチャレンジしてみたいという方の背中を押すきっかけにもなれば嬉しいです。

みなさま、ご協力いただきありがとうございました!

 

●特集の内容

巻頭インタビュー

インディーアニメ界を牽引するこむぎこ2000はどこからきてどこへいくのか

話題のMV制作にとどまらず、2020年には「#indie_anime」を設立するなど、現代のインディーアニメシーンのキーパーソンといっても過言ではないこむぎこ2000さん。現在の活動にいたるまでの軌跡と今後の展望をインタビューしました。

こむぎこ2000

 

商業にできないことを自主制作で実現する

えいりな刃物の“愛あふれる”自主アニメ制作

映像作家のえいりな刃物さんが、自身の想いを詰め込んだという自主アニメーションMV『死神』。その映像を例に、自主制作MVのアイデア、コンセプトの設計、自主制作と商業制作の違い、モチベーション維持の方法など、えいりな刃物さんのアニメーション制作における秘訣をうかがいました。

えいりな刃物

 

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8mm映写機とテントによる完全アナログ上映も紹介!

フィルムとセルとデジタルによるアニメーション表現

セルによるトラディショナルなスタイルの平面アニメーションのみならず、立体模型、実写、8 mmフィルム撮影や人形劇、3DCG など、様々な技法を駆使して、多層的なイメージと不思議な世界観を表現する巡宙艦ボンタさん。現状の技法的な集大成として完成した『Cotillion』MVを例に、アニメーション表現の可能性について語ります。

巡宙艦ボンタ

 

現代社会を俯瞰し古典的表現に落とし込む

令和と昭和を“まんが”でつなぐアニメーション

フィルムブームとともに若者を中心に人気を集める“ 過去の映像表現”。昭和テイストに現代社会を描くアニメ『カネヒサくん』シリーズもそのひとつです。作者のかねひさ和哉さんに、古典的映像表現への落とし込み方、AviUtlやAfter Effectsを使ったノイズやグレインの入れ方、トレスマシン風の描線を再現する方法など、「昭和風アニメ」ができあがるまでの工程を解説してもらいました。

かねひさ和哉

 

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カットアウトアニメのキャラクターと動きの秘密に迫る

カートゥーンのようなキャラクターとメリハリある動きの作り方

この記事ではゲーム会社にアニメーターとして勤めながら、自主制作で漫画やアニメーションに取り組む金属8gさんを講師に迎え、カットアウトアニメのノウハウ、After Effectsを駆使した動きの作り方、モーションラインやエフェクト活用術など、アニメ制作の裏側を徹底公開しています。

金属8g

 

『模倣犯』『橙一点』から学ぶ!

頭の中で勝手に動き出すキャラクターづくりとストーリーの組み立て方

キャラクターを作り込み、ストーリー性の高いアニメーションを制作しているidoさん。そもそもMVにストーリーが必要な理由、短納期でストーリーを作る方法、頭の中で勝手に動くキャラクターづくり、作品の世界観に説得力を持たせる方法…など、idoさんが手がけた『模倣犯』と『橙一点』のMVの例を交えながら、独自のキャラクターづくりとストーリーの組み立て方のノウハウを学ぶ。

ido

 

 

キャラクターの魅力を引き出すアニメーションづくり

ずっと真夜中でいいのに。『正義』やsasakure.UK『レプリカ』、和ぬか『ヨセアツメ』など話題のMVを次々と手がけてきた革蝉さん。キャラクターのよさを引き出すためにどんなことを考えながら創作活動に取り組んでいるのか、作品解説や日々の習慣などからそのヒントを探ります。

革蝉

 

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商業アニメやMVだけじゃない

Skebで見出したアニメづくりの活路

MV制作を筆頭に多くのインディーアニメ作家が活躍する現在。SNSやサービスが発達し、さまざまな場所で
作品を目にしてもらう機会が増えてきた一方、仕事として安定した依頼を受けているクリエイターは
一握りであるというのが現状です。そんななかSkebを中心に活動するまめすずさんに、サービスの特徴やメリットを教えてもらいました。

まめすず

 

特集 番外編

擬態するメタの真骨頂!

実写×3DCG×アニメーションで作る『META TAXI』の不思議な世界

『META TAXI』は、講談社と大日本印刷がしかける、ゲストのふたりがタクシー車内でトークを繰り広げる映像コンテンツです。その映像を手がけるのが、映像制作ユニットの擬態するメタさん。『META TAXI』でどのような映像表現に取り組んだのか。インディーアニメ特集の枠から飛び出し、お話を聞きました。

META TAXI

 

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特集以外では、フォトグラファーの小暮和音さんに、ニコン「Z 8」の使用感について取材しました。学生時代からニコンを愛用している小暮さん。自身の現場で「Z 8」を導入し、写真や映像の様々なシーンで活用しているそうです。今回、小暮さんが携わった広告作品や新たに撮り下ろした作品事例をもとに、プロの視点から見た「Z 8」の魅力を語っていただきました。

 

 

インディーアニメの「今」が詰まったビデオサロン12月号を、ぜひお手に取ってご覧ください。

 

ビデオサロン12月号

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