▲フレキシブルディスプレーのイメージ

 

NHKは、巻き取りや折り曲げができるフレキシブルディスプレーの実現を⽬指し、有機ELの研究開発を進めてきたが、今回、⻑寿命化に向けて新たな有機EL⽤材料の開発に成功したことを発表した。

フレキシブルディスプレーを実現するためには、ディスプレーで⼀般的に⽤いられるガラスに代わって、薄くて柔らかいプラスチックのフィルム上に、⾚・⻘・緑に発光する有機ELを形成する必要がある。ガラス上に形成した有機ELでは、発光に必要となる電⼦をスムーズに供給する電⼦供給材料の⼀部にアルカリ⾦属を使⽤している。しかし、フィルムは酸素や⽔分を通しやすい性質があるため、アルカリ⾦属が劣化しディスプレーの⼗分な寿命が得られなかった。

そこで、アルカリ⾦属に代わって、フィルムでも⾼い安定性を保ち、⻑寿命化を実現する塩基性物質を使⽤した電⼦供給材料を新たに開発。また、この電⼦供給材料は、⽔素結合が作る分極の効果によって電⼦をスムーズに供給できることを、世界で初めて明らかにした。

なお、今回の研究成果は、9⽉6⽇に材料科学の専門誌Advanced Materialsに掲載された。今後もフレキシブルディスプレーの早期実現に向け研究開発を加速していくという。

▲有機ELのしくみと、開発した電⼦供給材料の特徴