キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEMの新製品として、新開発の「DGOセンサー」採用により広いダイナミックレンジを実現するとともに、4K ⁄ 120Pのハイフレームレート記録に対応したデジタルシネマカメラ EOS C300 Mark III を2020年6月下旬に発売すると発表した。価格はオープンで税別120万円前後。
EOS C300 Mark IIIは昨年末に発売されたEOS C500 Mark IIの兄弟モデル。ユーザーが撮影現場に応じて自由にカスタマイズできるモジュールデザインで、C500 Mark IIがフルフレームセンサーを採用したのに対し、C300 Mark IIIはスーパー35センサー。ボディの基本構造や周辺パーツ、アクセサリーは共用となっている。単なるセンサーが小型になっただけでなく、今回DGO(デュアルゲインアウトプット)というセンサー技術が投入されたところが注目となる。この技術は、デュアルピクセルCMOS AF同様、今後、キヤノンのカメラの多くに採用され、他社にはない特徴となっていくことが予想される。
新開発のDGOセンサーと4K/120pのハイフレームレート記録
1つの画素出力に対して異なるゲインで出力することで低ノイズのHDR動画を生成する新開発の4Kスーパー35mmのCMOSセンサー「DGOセンサー」により、明暗差の大きい環境でも、像ズレがなく、豊かな階調を持つ4K ⁄ 60Pの高画質な映像を撮影することができる。また高速処理が可能な映像処理プラットフォーム「DIGIC DV 7」を搭載し、スロー再生時でも滑らかな映像表現ができる4K ⁄ 120Pのハイフレームレート記録に対応するなど、プロの映像制作に応える多彩な映像表現を実現する。120P時でもデュアルピクセルCMOS AFが駆動するというのがポイント。
さまざまな撮影スタイルに対応できる優れた拡張性
「EOS C500 Mark II」同様にユーザーが撮影現場に応じて自由にカスタマイズできるモジュールデザインを採用しており、小型軽量を生かしたドローン撮影から、拡張ユニット(別売り)を装着した複数台のカメラによる撮影まで、さまざまな撮影に対応する。またマウントキット(別売り)により、ユーザー自身でEFマウントから、EFシネマロックマウントやPLマウントに交換できる。
ユーザー自身でマウントの交換が可能。
EVFや拡張ユニットは本体と独自インターフェイスで接続。これらのオプションはEOS C500 Mark IIのものと共通。
Cinema RAW LightとXF AVC 10bitを本体内カードに記録できる
映像の情報量を維持しながらデータサイズを軽くできる「Cinema RAW Light」を採用し、外部レコーダーを使用せずにRAWデータを本体内部に記録できる。さらに、動画データを圧縮し効率的に記録する「XF-AVC」にも対応し、編集作業の効率化をサポートする。またCFexpress Type BカードとUHS-II規格のSDカードを使用できる。
本体キット内容
5月20日発売の6月号で開発陣にインタビュー取材しています。ご期待ください。
EOS C300 Mark IIIの製品情報はこちらから
https://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/digitalcamera/c300mk3/