映像の種類が多岐にわたり、「一億総クリエイター時代」ともいわれる現在。映像をとりまく仕事や制作スタイルが多様になっていくなかで、今後どんな映像クリエイターや映像コンテンツが求められていくのか。そもそも映像自体に求められるものとは。2月号では映像制作や枠組みのあり方について模索し、思考と実践を重ねるクリエイターやチームをクローズアップする。
特集「これからの映像制作を考える」
ただ映像やデザインをつくることではなく、 課題を解決するため、こころ/ひとを動かすものをつくる
ドローイングアンドマニュアルの 企画特化型ユニット「kuwaku」に学ぶプランナーの思考術
中谷公祐、吉村葵、唐津宏治(kuwaku)
映像作品はもちろん、様々なクリエイティブの起点となる「企画」。ここでは、広告や映画、MVなどの映像をはじめ、グラフィック、WEBサイト、イベントなど様々なクリエイティブを手掛けるドローイングアンドマニュアルの企画特化型ユニット「kuwaku(くわく)」のみなさんに、いい企画とは何なのか、本質的な魅力を伝える企画の作り方について、事例を交えながら解説してもらった。
独学でも実践できる、シネマトグラファーへの道
プロジェクトの文脈を紡ぐための映像づくり
髙橋遼
広告系プランナー / プロデューサーからシネマトグラファーへと転身を遂げた髙橋 遼さん。しかも独学で映像制作スキルを習得。さらには個人で中古のARRI ALEXAを購入。一見、トリッキーに思うかもしれないが、その根底にあるのは、論理的な思考と確かな根拠。そんな髙橋さんが、これからの映像制作に重要なのは「文脈」だという。その真意は?
映画レーベル「NPO法人ブラックスターレーベル」が目指す
映像制作の持続可能性と社会性の関係
田村祥宏
映画制作から経歴をスタートし、ビデオグラファー的なスタイルも経験しながら、2023年、社会課題に関する映画作品を製作/運用するNPO法人ブラックスターレーベルを立ち上げ、映画『Dance with the Issue:電力とわたしたちのダイアローグ』を公開した、株式会社イグジットフィルム(EXIT FILM) 代表の田村祥宏さんに、映像作品は今後、社会の中でどのように活用できるのか、我々映像クリエイターにとって、サステナブルな映像制作活動をしていくためにヒントになるお話を語っていただく。
クライアントワークにも個人プロジェクトの発信にも使える
WEBコンテンツとしてのドキュメンタリー制作メソッド
伊納達也
テレビ番組や劇場映画のドキュメンタリーという枠を超え、よりリアルな人物像や事柄を見せるコンテンツとして「広義の意味でのドキュメンタリー」が増えつつある昨今。本記事では、様々なドキュメンタリーコンテンツに携わりながら、YouTubeなどでもドキュメンタリーを発信し続ける映像ディレクター伊納達也さんを講師に迎え、WEBコンテンツとして成立するドキュメンタリーの在り方について解説してもらった。
“何も新しくないこと”から生まれる新しいこと
NOTHING NEWが目指す一気通貫の映画事業
林 健太郎
NOTHING NEWが何やら新しいことをやっているらしい…2 0 24 年はそんな噂をよく耳にする一年だった。この映画レーベルで代表を務めるのが林 健太郎さん。映画業界にどのような問題意識をもってNOTHING NEWを立ち上げたのか、NOTHING NEWの第1弾『NN4 4 4 4』はなぜホラー短編の作品集だったのか、現在進めているプロジェクトはどんなものなのか…などなど、新たなムーブメントを生み出す仕掛け人にインタビューで話を聞いた。
日本で最初のカラーグレーディングスタジオ
ARTONE FILMを立ち上げたカラリスト・石山将弘のビジョン
第96回アカデミー賞の視覚効果賞に輝いた『ゴジラ-1 .0』をはじめ、話題作のルックを多数仕上げてきたARTONE FILM。
今回はARTONE FILMの石山将弘さんに、会社設立の経緯やカラーグレーディングにかける想いなどどのような考えで日々の制作と向き合っているのかお話をうかがった。
ビデオグラファーはどこからきて、どこにいくのか
これからの映像制作者のあり方を予測する
伊納達也×岸田浩和×ビデオサロン編集部萩原・一柳特別座談会
海外で生まれ、日本でもすっかり定着した「ビデオグラファー」という言葉。一時期のブームが落ち着いてきたといわれる昨今、変化の激しい世の中ではこれからどんなクリエイターが求められるのだろうか。ブームを内側で体験してきた伊納さん・岸田さんと、外側から見つめてきた編集部の座談会を実施した。
今月の話題
8K撮影を得意とする映像クリエイターはどう評価する?
ソニーα1 Ⅱで東京を撮る
羽仁正樹
ソニーのαシリーズのフラグシップ機・α1の後継機α 1 IIが約3年9カ月の時を経て、昨年12月に登場した。最大8K/30pに対応したα 1 II は前モデルからどんな進化を遂げたのか? 8K映像の撮影を得意とし、各社メーカーのカメラを使い分ける羽仁正樹さんにテストしていただき、その使用感をレポートしてもらった。
クイックロック式三脚の最後発
リーベック QL40Bは買いなのか?
栁下隆之