特定非営利活動法人「市民がつくるTVF」(代表理事:小林はくどう)が初めて主催する映像祭「市民がつくるTVF」プレ・イベントに、全国から159作品の応募があった。全国のビデオクラブのメンバーや中学高校の放送部員、ビデオ作家など、応募層は幅広く、年齢別では60歳以上が約60%を占める一方で、10~20代も24%と若い世代の健闘が目立った。


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ビクターが主催する「東京ビデオフェスティバル」(TVF)は2009年をもって31年の歴史を閉じたが、世界でも最大規模の市民映像祭であり、アマチュア映像文化や市民ジャーナリズムの発展・振興に果たした貢献は計り知れないものがある。TVFがこれまで築いた映像文化を継承し、新たな市民映像祭を立ち上げようと「市民がつくるTVF」が有志により結成され、11月11日NPO法人としての認可を得た。
「市民がつくるTVF」の発起人には、これまでTFVの審査員を勤めた大林宣彦さん(映画監督)、代表理事も務める小林はくどうさん(ビデオ作家/成安造形大学教授)、佐藤博昭さん(ビデオ作家/日本工学院専門学校講師)、椎名誠さん(作家)、羽仁進さん(映画監督)、高畑勲さん(アニメーション映画監督)の6人が名を連ね、今回のプレ・イベントの作品審査にもあたっている。また、TVFの受賞作家など映像作家や映像関係者、教育関係者などがNPO法人の役員を務め、今後は作品発表と交流の場としての映像祭開催のほか、各種ワークショップやセミナー、「TVFアーカイブス」として過去の映像作品の管理と利用促進などにあたっていく。
プレ・イベントの作品は9月1日~11月10日にわたって募集され、全国35の都道府県から159作品が寄せられた。最も多かったのは神奈川県(24本)で、次いで東京都(22本)、北海道(20本)となっている。学校等団体での応募は13本で、残りは個人の作品であった。年齢別では、60歳以上の応募が全体の約6割を占め、特に70代は4割を超えるなどシルバーパワー全開という印象だが、その一方で10~20代が全体の約1/4を占めていることも見逃せない。
ジャンルとしてはドキュメンタリー作品が全体の8割以上を占めた。じっくりと取材・編集されたプロと遜色のないクオリティの作品が目立つ一方で、1~3分という短い時間で自分の思いを伝えるといった、インターネットによる動画配信の時代を反映した新たな傾向も現れているという。
現在は審査員による最終審査に入っており、1月中旬には優秀作品賞(12本)とビデオ大賞(3本)を決定し、WEBにて発表する。発表と表彰式および上映会が2010年1月30日(土)、日本工学院専門学校(東京都大田区西蒲田5-23-22)のデジタルシアターにて行われる。
問:NPO法人 市民がつくるTVF Tel.03-6206-8655
http://tvf2010.org/