ソニーが21型の新しい有機ELディスプレイを展示するというので、東京・有明の国際展示場で開かれている「第5回 Display 2009」に出かけてきた。ちなみに新しいこのコーナー「YS11取材手帳」は編集部Sが日々の取材活動で知りえた情報を逐一アップしていきますのでお楽しみに。


◆製品化はまだまだ先の様子なのは残念
昨年の「Display 2008」ではとても注目を集めていた有機ELディスプレイだが、今年はちょっとおとなしめ。それというのもサイズが21インチになっただけで、昨年の展示内容と大きく変わっていなかったせいかもしれない。展示されていた21型はもちろん参考出品で、デザインはいかにもショーモデルといったところ。製品化のにおいはまったくなかった。ソニーの説明員によれば「引き続き開発を継続中ということを示す展示」であり、「具体的な製品化はまだまだ未定」ということのようだ。21型の画素数はWXGA(1366×768)でフルHDではない。性能を現す数値的にはこれまでと変わらないものの、きらびやかさなどの表現の面では確かな進化があるということだ。それにしても、本体の薄さも見慣れてきたし、そろそろ具体的なロードマップを示してほしいところ。
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▲ボディカラーが2色用意された21型有機ディスプレイの参考展示。
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▲厚さ0.3mmの11型有機ELパネル。右は横から見たところ。
◆もうひとつの目玉が3D(立体)表示対応ディスプレイ
今回のディスプレイ展は今年のCESなどの流れをそのまま受け継いで、3D対応ディスプレイの展示が多かった。眼鏡ありから、眼鏡なしまで、方式も様々。ただ、全体に感じたことは家庭用テレビ向けの3D表示ではなく、イベントや広告用のディスプレイとしての意味合いが強かったことだろう。3D表示の広告を打つと人の足は必ず止まり、凝視する効果があるという。なるほど、確かにそうかもしれない。ただし、ただただ3D用の表示装置を売るだけでなく、広告展開の提案から、映し出す3D用コンテンツの制作まで、そこまでしないとビジネスにはなりにくいという説明には納得させられた。
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▲ソニーが参考出品した3D映像。ゲームから映画まで多彩なコンテンツで3D化できるのが強みという。
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▲ニューサイトジャパンの眼鏡なし3Dディスプレイ。ディスプレイの前に特殊なフィルタを置くことで、右目と左目で違う映像を見せて3D化を実現。視野角を広くするために、8枚の映像パターンを用意し、違う角度から見ても8枚のうちどれかを見ることで見る位置を選ばない表示が可能になっている。大型展示にも向いたシステムといえる。2Dの動画素材に対し、3D用のCGを組み合わせて作成するのが現実的だそうだ。
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▲ワールドワイドディスプレイが展示していた3Dの動画/静止画対応カメラ。SDカードで記録し、対応するフォトフレームで再生して、3D映像を表示する。カメラ搭載の液晶ディスプレイでも3D表現が確認できるのが面白かった。応用例としては旅行代理店の営業ツールになるのではないかと説明していた。例えば添乗員が各地で撮影した3D映像をフォトフレームで見せることで、訪問先のイメージを伝えるのに役立つはずという。