ARRIのラージフォーマットカメラシステム ALEXA LF発表会


ナックイメージテクノロジーは2月15日、ARRI社の新しいラージフォーマットカメラシステムALEXA LFの発表会を開催した。2月2日に発表され、フランス、北京、ソウルなど説明会を開催してきて、今回東京での発表会になった。映画におけるラージフォーマットとはスーパー35mmより大きいサイズを指しているが、今回のALEXA LFは、35mmフルサイズよりもわずかに大きいセンサーを搭載。それに合わせてLPL(ラージPL)マウントを開発。ALEXA LFと同時に、LPLに対応したARRIシグネチャープライムレンズ、PL-LPLアダプターをラインナップしている。

ARRI ASIAのマネージングディレクターのPaul Ivan氏は「ENLARGE YOUR VISION=ビジョンを拡大する」ことによって、より没入感を作り出せるという。

ARRIには6K 65mmシネマカメラ「ARRI ALEXA 65」があり世界で70台ほど可動しているが、使ってみたいけどモノがないという状態だったという。そこで新たにLFセンサー(36.70×25.54mm、4448×3096)を開発。そのサイズはALEXA 65のセンサーに対して以下のようなサイズになる(緑色の部分がALEXA 65のセンサーサイズのイメージ)。説明するのは営業担当のCarlos Chu氏。

このサイズはスチルカメラの35mmフルサイズと比較して若干大きいもの(点線が35mmフルフレーム)。

ALEXA LFでは、3種類のセンサーモードで使用することができる。センサー全体から読み出すLF  Open Gateでは最大90fps。

4K(UHD)を最大90fps読み出せるLF16:9。

シネマスコープサイズのLF 2.39では150fpsのハイスピード撮影が可能。

 

レンズと周辺システム、ワークフロー

LPLレンズマウントは従来のPLマウントよりも大きな直径と短いフランジバックで設計されている。それに合わせてARRIシグネチャープライムレンズがラインナップされる。LPLマウントはライセンス供給され、すでに6社がLPLマウントへの対応を表明しているという。

ただレンズは順次供給されるため、PL-LPLアダプターも同時に用意され、PLマウントレンズを使うこともできる。LPLマウントへの装着は工具なしで撮影現場で行える。逆に今後登場するLPLレンズマウントレンズは、既存のALEXA、ALXEA MiniにLPLレンズマウントを介して装着することができる。

ALEXA LFでは、ALEXAの既存のアクセサリーをそのまま使うことができ、操作パネルやワイヤレスビデオトランスミッターなど、すべての機能、インターフェイスを流用できる。

ワークフローも同様で、ARRI RAWはSXRキャプチャードライブに記録、ProResはキャプチャードライブだけでなく、ソニーのSxS Proに記録できる。

ALEXA LFカメラと同時にARRIシグネチャープライムレンズも開発され、12mmから280mmまで16本がラインナップされる。鏡筒はマグネシウム素材を採用し、軽量性と剛性を両立させた。次世代レンズデータシステムLDS-2を採用し、この規格を含めて他のレンズメーカー、カメラメーカーにライセンス供給される。

各レンズは、あえてフレアが出るように前玉と後玉はコーティングなしのものに変更するというオプションも可能。レンズラインナップは以下のとおり。

価格は変動する可能はあるが、ALEXA LFの周辺機器も含めたベーシックキット(最多契約のキット)で1500万円弱くらい。シグネチャーレンズは標準焦点域のものが320万円前後からとなっている。

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ARRI社が新しい「ラージフォーマットカメラシステム」を発表

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