キヤノン、8K・RAW撮影対応のデジタルシネマカメラ EOS R5 C を発表。8K/ 60p内蔵メディア記録を実現


キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEMの新製品として『EOS R5 C』を3月上旬に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は650,000円前後(税込)。

『EOS R5 C』は、動画と静止画の両方に高性能を求めるユーザー向けに、質量約680gの小型・軽量ボディーと8K・RAW内蔵記録を実現したデジタルシネマカメラ。

「CINEMA EOS SYSTEM」の動画性能とミラーレスカメラ「EOS R5」を踏襲した高い静止画性能を、電源ダイヤルでのモード切り替えにより使い分けることができる。

 

▲「RF24-70mm F2.8 L IS USM」装着時

 

▲「PHOTOモード」と「VIDEOモード」の切り替えを行える電源スイッチ。切り替えにはやや時間がかかる。瞬時に写真と動画を撮り分けたいという使い方には向かない。別のカメラシステムに入り直すような感覚。

▲バリアングル方式の液晶モニター。3.2型液晶(約210万ドット、タッチパネル対応)

 

豊富な情報量を持つ8K・RAW動画の内蔵記録を実現

・自社開発の有効画素数約4500 万画素フルサイズCMOS センサーと、映像エンジン「DIGIC X」の 搭載により、8K/30P・RAW 動画に加え、外部電源供給による 8K/60P 動画の内蔵記録を実現。編集において8Kで撮影したデータから4Kのデータを切り出すなど、柔軟なワークフローを実現。

・汎用性の高い「MP4」での 8K/30P 動画の記録にも対応。さらに、データ量が少なく編集のしやすい Proxy 動画の同時記録にも対応し、映像制作の作業効率向上に貢献。

・豊富なデータ量を持つ8Kの有効画素を全画素読み出し、オーバーサンプリングによる高画質な4K/4:2:2/10bit 動画を「XF-AVC」と「MP4」の両フォーマットにおいて生成可能。

・吸気から排気までのエアフローと電子基板をそれぞれ独立させた新開発の放熱構造と、カメラ内の温度上昇を低減する放熱ファンの内蔵により、「EOS R5」と比べて長時間の動画撮影に対応。

▲放熱構造・放熱ファンを内蔵し、長時間の動画撮影に対応

 

 

柔軟な映像制作をサポートするファイルフォーマットや動画撮影機能

・RAWの豊富な映像情報を維持しながらデータサイズを軽くすることができる記録フォーマット「Cinema RAW Light」を採用。外部レコーダーを使用せずに、CFexpress カードへのRAW記録が可能。

・「Cinema RAW Light」内に、画質や伝送速度などが異なる新開発の「高画質RAW HQ/ 通常画質RAW ST/ 軽量記録RAW LT」モードを搭載。

・放送格準拠のMXFを採用した、キヤノン独自のビデオフォーマット「XF-AVC」に対応。動画データを「H.264」の形式で圧縮し、効率的な記録を実現。

・最大4K /120P のハイフレームレート動画が撮影でき、スロー撮影時でも滑らかな映像表現が可能。また、ハイフレームレート動画撮影時も階調豊かな4:2:2/10bit のサンプリングに対応。

・撮影前に好みの色合いや明るさを設定可能な「カスタムピクチャー」に、「CINEMA EOS SYSTEM」の上位機種で搭載している画質設定を採用。異なる複数カメラでの撮影時でも、設定を同じにすることで統一した色合いや明るさのもとで撮影可能。

・広いダイナミックレンジを持ち、階調の調整などポストプロダクション処理が容易な「Canon Log 3」を搭載。

・ディープラーニング技術を用いて開発した被写体認識アルゴリズム「EOS iTR AF X」の搭載により、顔や頭部など被写体を安定して検出し、高精度な追従を実現。

・「CINEMA EOS SYSTEM」のカメラとして初めて「瞳検出」に対応。カメラのフォーカス操作が難しいポ
ートレート撮影などにも対応。

 

 

高画質と高速性を両立する「EOS R5」を踏襲した静止画性能

・CMOSセンサーの有効画素数約4500万画素の高画質と高速連写を両立。

・電子シャッター撮影時は、AF/AE 追従で最高約 20コマ/秒の高速連写を実現。野生動物との対峙やスポーツの試合会場などのシーンにおいてシャッター音を気にせず撮影が可能。

・メカシャッター/電子先幕撮影時は、最高約12コマ/秒の高速連写を実現。

・「PHOTO モード」では、「デュアルピクセル CMOS AF II」による、追従性に優れた高速・ 高精度・広範囲な AF を実現。「顔+追尾優先 AF」設定時は、画面の最大約 100%(縦)× 最大約 100%(横)の範囲への測距が可能。さらに、静止画撮影時は AF フレームを、 最大 1053分割のエリアから自動で選択可能。

・人物の瞳・顔・頭部・胴体と、動物(犬/猫/鳥)の瞳・顔・全身検出機能を搭載。さらに、 乗り物(モータースポーツにおける車・バイク)の全体・スポット検出機能も新たに搭載。

 

快適な撮影を実現する各種仕様や通信機能

・CFexpress カード(Type B)と SD メモリーカード (UHS-II 対応)のデュアルスロットを搭載。8K RAW 内蔵記録時においても、4K・「MP4」といった解像度や ファイルフォーマットの異なる形式の映像を2枚の 記録カードへそれぞれ同時に記録可能。

▲CFexpressカード(Type B)とSDカード(UHS-II対応)のデュアルスロットを搭載。

 

・Timecode入出力端子の搭載により、複数カメラ間の同期が容易にでき、編集作業の効率化にも貢献。

・ミラーレスカメラ『EOS R3』と 共通の新しいマルチアクセサリーシューを採用。 ティアック株式会社の XLR マイクアダプター 「CA-XLR2d-C 」(別売り)を接続することで、XLR 端子を使用した4チャンネルでのオーディオ収録が可能となり、柔軟な音声記録ワークフローを実現。

・「VIDEO モード」では、iOS 専用のモバイルアプリ「Content Transfer Mobile」を使用することにより、カメラ本体と有線/無線接続した iOS 端末に、撮影した動画やメタデータを取り込み、放送局などのサーバーへ FTP 転送することができ、放送までのワークフローを高速・効率化。 ・ニュース制作を効率化するメタデータ規格「DPP002 Metadata Exchange for News」に対応。 モバイル端末上でメタデータの編集・書き込みが可能。

・Web ブラウザからリモート操作が可能な「Browser Remote」を刷新。スマホ向けの新レイアウトや、より詳細なコントロールコマンドを表示できるなど機能を拡充。

・「PHOTO モード」では、「Camera Connect」や「Mobile File Transfer」など「EOS R5」と 共通のモバイルアプリにも対応。

・堅牢性と軽量化を両立する高剛性のマグネシウム合金製ボディーにより、高い 信頼性を確保。また、水滴や砂じんがカメラ内部へ侵入しにくい構造を採用。

●カメラの前半分はEOS R5そのままなので、NDフィルターはボディ側に内蔵されていない。

●グリップした感覚はEOS R5とほぼ同じ。

 

●VIDEOモード時の画面表示(Cinema EOS系と共通の操作体系)

●PHOTO時の画面表示(EOS R5などと同じ操作体系)

 

◉製品情報
https://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/digitalcamera/r5c/

キヤノン株式会社
https://canon.jp/

vsw