ドキュメンタリー・ドリームセンターは、著作物の引用や肖像権についてのイベント「みんなで学ぼう!映画における引用と肖像権」を7月15日(土)に開催する。

映画『主戦場』をめぐる2つの裁判で、日本におけるドキュメンタリー映画の制作・上映にとってきわめて先例的かつ重要な判決が下された。このことをより多くのドキュメンタリー制作者たちと共有し、弁護士の解説を聴きながら法律的な枠組みについて「みんなで学ぶ」イベントを開催する。

今回のイベントでは、裁判を争った被告側の弁護士を迎え、これらの判決によって示された基準や考え方を、実践の現場にいるドキュメンタリーの作り手たちとともに検討。今後は、訴訟やトラブルをむやみに恐れ、委縮しながら製作・上映するのではなく、これらの基準が著作権法の求める「公正な慣行」としてより広く共有され、強固になることに期待したいとしている。

 

 

開催概要

日時:2023年7月15日(土) 13:30~16:30

会場:「Anchorstar MPR」東京都港区西新橋2-19-5 カザマビル4階
虎ノ門駅6分、内幸町駅7分、新橋駅10分
https://goo.gl/maps/TjvxTcfNoLNu4V4e9

参加方法
Peatix サイトより事前にお申し込み下さい(定員あり)
https://eigano-inyo.peatix.com

料金:(当日会場で支払い/現金のみ)
一般 3,000円/ユース 1,000円「ユース」は22歳ぐらいまでが対象
ゴールドメンバー(特別協賛) 1万円

主催:ドキュメンタリー・ドリームセンター

共催:有志運営メンバー、東風、映画「主戦場」弁護団

協力:kickstarter, anchorstar

 

概要

パネリスト: 前原一輝弁護士、韓泰英弁護士、木下繁貴(東風)
聞き手: 満若勇咲(『私のはなし 部落のはなし』監督)、土屋トカチ(『アリ地獄天国』監督)、煙草谷有希子(『牧師といのちの崖』プロデューサー)、前田亜紀(『香川1区』プロデューサー)、金川雄策(Yahoo! Japan Creators Program)
「慰安婦問題」論争を描いたドキュメンタリー映画『主戦場』は、2019年4月より全国で劇場公開され、最終的に7万人を動員する異例のヒット作となった。いっぽうでミキ・デザキ監督と配給会社・東風に対して、ふたつの裁判が起こされた。

●第1裁判
2019年6月、一部の出演者が著作権などを侵害されたとして、映画の上映差し止めと1300万円の損害賠償を求めて提訴。2023年3月30日に最高裁の上告棄却により、監督と配給会社の全面勝訴で終決した。
→ この判決は、映画でYouTube動画を使ったことが著作権法32条が定める「引用」として認められた先例的なものだった。

●第2裁判
2019年8月、映画に登場する右翼団体が、肖像権侵害で提訴。2021年5月26日に東京高裁において、右翼団体側が主張を取り下げて終決した。
→ 承諾を得ない撮影であっても、不法行為とはされずに右翼団体の請求は棄却された。

今回のイベントでは、裁判を争った被告側の弁護士を迎え、これらの判決によって示された基準や考え方を、実践の現場にいるドキュメンタリーの作り手たちとともに検討する。今後は訴訟やトラブルをむやみに恐れ、委縮しながら製作・上映するのではなく、これらの基準が著作権法の求める「公正な慣行」としてより広く共有され、強固になることに期待したい。

【イベント当日の流れ】
第2部 映画の引用
1)そもそも映画における「引用」って?
2)映画『主戦場』の訴訟
3)「公正な慣行」ってなんだ? 「引用」についての考え方
4)他の事例ではどう考える? 「引用」されたくないのだけど?
5)ディスカッション

第2部 肖像権
1)そもそも映画における肖像権って?
2)映画『主戦場』の訴訟
3)他の事例ではどう考える?
4)肖像権を配慮してどう撮影すればいい?「映り込み」って?
5)ディスカッション

 

 

◉イベント詳細
https://ddcenter.org/japandoc/inyo_shozoken/

Documentary Dream Center
https://ddcenter.org