▲Cinema Lineカメラ 『FX3』(同梱のXLRハンドルユニットおよび別売のレンズ、マイク装着時)

 

ソニーは、映像制作用カメラ商品群Cinema Lineで最小最軽量となる、フルサイズイメージセンサー搭載レンズ交換式カメラ『FX3』を3月12日に発売する。価格は、459,000円(税別)。

『FX3』は、35mmフルサイズ有効約1026万画素裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor Rにより、高感度・低ノイズ性能と15ストップを超える広ダイナミックレンジ、浅い被写界深度を生かしたぼけ描写を実現。また、映画制作の現場の知見を得て培った画づくりであるS-Cinetonem(エスシネトーン)を搭載することで、人肌の中間色を表現力豊かに、被写体を美しく際立たせる自然なトーンで撮影できる。さらに、高解像度4Kで最大120fpsのハイフレームレート動画撮影に対応する。

ボディサイズ・撮影機能ともに、手持ちやジンバル撮影などで求められる機動性を確保しており、ソロシューティングや小規模プロダクションでの制作時でも取り回しよく使用できる。小型・軽量を追求した一眼カメラスタイルのボディに、直接アクセサリーを装着可能なネジ穴(1/4-20 UNC)を配置したほか、着脱可能なXLRハンドルユニットを同梱し、被写体や撮影意図に合わせた柔軟な撮影スタイルを選択できる。

また、ハイフレームレート撮影時にも対応するリアルタイム瞳AFなどの高精度かつ滑らかなAF性能や、光学式5軸ボディ内手ブレ補正機能の補正効果を向上させるアクティブモードで、さまざまな撮影条件に対応。さらにズームレバー・ボタン・ダイヤルを片手で素早く効率的に操作できるように、グリップ側にまとめて配置したほか、新開発の冷却ファンを搭載し、サーマルシャットダウンのない長時間の4K/60p記録を可能にする放熱性能を実現している。

▲センサーは35mmフルサイズ有効約1026万画素裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor R

▲液晶モニターはバリアングルタイプ。XLRユニットはネジ止めの着脱式。

主な特長

1. フルサイズイメージセンサーによる高い基本画質性能と、映画制作で培ったシネマの映像表現力

・高感度・低ノイズ性能と広ダイナミックレンジ、印象的なぼけ描写を実現
35mmフルサイズ有効約1026万画素裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor Rと、最新の画像処理エンジンBIONZ XRを搭載し、常用ISO80-102400(動画時の拡張感度はISO80-409600)の幅広い感度域でノイズの発生を抑えた高い描写力と、浅い被写界深度を生かした印象的なぼけ描写を実現。また、15ストップを超える豊かなダイナミックレンジをもち、野外の明るい環境から夜景までさまざまなシーンで白とびや黒つぶれの少ないなめらかな階調で映像を記録する。

▲もちろん4K 10bit記録に対応。

・映画制作の現場の知見を得て培った S-Cinetone
Cinema Lineの上位機種である『FX9』『FX6』と同様に、CineAltaカメラ「VENICE」の開発を通じて得られた、映画制作の現場の知見をもとにした画作りであるS-Cinetoneをデフォルトのプロファイル(PP11)として設定。人肌を描写する際に使われる中間色の表現力を高めることで、よりソフトな色合いと、被写体を美しく際立たせる自然なハイライトを実現。

▲PP11にS-Cinetoneをプリセット。α7S IIIとの違いはまずはここ

・なめらかなスローモーションを実現する4K 120fpsハイフレームレート動画撮影
高解像度4Kで最大120fpsのハイフレームレート動画の本体内記録に対応。最大5倍の滑らかなスローモーションや、フルHDでは240fpsで最大10倍のスローモーションが可能。また、ハイフレームレート動画撮影中に、AFを効かせることもできる。

 

2. 手持ちやジンバル撮影などで求められる高い機動性を実現

・取り回しの良さを追求した小型・軽量ボディ

サイズは、高さ77.8 ×幅約129.7 ×奥行84.5 、重さ715 gとCinema Lineの中で最も小型・軽量。ジンバルやドローンを使った撮影にも対応する取り回しの良さを実現。また、カメラ本体のグリップの形状も、さまざまなポジションの手持ち撮影時でも安定してホールドできるような設計になっている。さらに、アクセサリー取付用ネジ穴(1/4-20 UNC)がボディに5カ所あり、ケージがなくても直接さまざまな周辺機器を装着できる。

▲ボディはα7系とはまったく別物でハンドル着脱を想定し剛性が高められている。ボディカラーも上位のシネマカメラにつながるもの。アクセサリーシュー部分はMIシュータイプ。

▲前からも操作も想定してこの位置にもRECボタンが。

▲ボディ内ファンが設けられ、吸気口、排気口がここに。ちなみにボディ内手ブレ補正、スチル用のシャッターユニットを内蔵しているので、NDフィルターは内蔵していない。ボディ上下にも退避スペースはないので、フルサイズセンサーでこのサイズで実現するのは難しそうだ。ボディ内手ブレを選ぶならFX3、電子NDを優先するならFX6という棲み分けになるだろう。

同梱のXLRハンドルユニットは、特殊な工具がなくても本体のマルチインターフェースシューと簡単にしっかりと固定でき、被写体や撮影意図に合わせて柔軟に使用できる。このハンドルユニットには、ボディと同様にアクセサリー取付用ネジ穴(1/4-20 UNC)が3カ所設けられているほか、XLR/TRSコンボ端子を2基備えたデジタルオーディオインターフェース対応XLRアダプタとしても使えるため、別売のXLRマイクと組み合わせることで、デジタル24-bitの4ch高音質録音を実現する。

 

▲INPUT1と2はXLR端子、INPUT3はステレオミニ端子。

▲CH1とCH2にどの入力を設定するかのスイッチ。

 

・フレキシブルなフォーカス操作を可能にする最新のAF性能
最新の像面位相差検出AFとコントラスト検出AFを併用したファストハイブリッドAFシステムを搭載し。高密度かつ広範囲(動画撮影時、最大627点で撮像エリアの水平方向 約95%/垂直方向 約94%をカバー)に配置した像面位相差AFセンサーで、4K120p記録時を含む全記録モードにおいて、浅い被写界深度でも動きの速い被写体に高精度かつ滑らかにフォーカスを合わせ続ける。

また、スクリーン上で狙った被写体をタッチしてフォーカスを自動追尾させる「タッチトラッキング」、高精度で自動的に瞳にピントを合わせ続ける「リアルタイム瞳AF」、プロフェッショナルから定評のある、きめ細やかな設定が可能な「AFトランジション速度」や「AF乗り移り感度」の使用や、マニュアルフォーカス中のAF動作もできるため、撮影者自身が条件に合わせてきめ細やかなフォーカス操作をすることが可能。さらに『FX3』はEマウントを採用しており、AF性能を生かせる59本の豊富な純正レンズ群と組み合わせることができる。

 

・手持ち撮影時に便利な高性能手ブレ補正アクティブモード
手ブレ補正効果を向上させる「アクティブモード」に対応した光学式5軸ボディ内手ブレ補正機能を搭載。カメラに内蔵した高性能手ブレ補正ユニットとジャイロセンサー、最適化されたアルゴリズムにより、4Kを含むさまざまなフォーマットでの手持ちの撮影時などに、高い補正効果を得られる。また、ソニーのアプリケーションソフトウェアCatalyst Browse(無償)/ Prepare(有償)を活用すれば、収録ファイルにメタデータとして付加された撮影時の手ブレ情報をもとに、短時間で高精度の手ブレ補正処理をかけることができる。

 

 

3. クリエイター向け映像制作用カメラに求められる操作性・信頼性・拡張性

・撮影中も片手で操作できるズームレバー・ボタンとダイヤル配置
レンズをホールドしたままで片手で手早く操作ができるように、グリップ側にズームレバーや使用頻度の高いボタン、ダイヤルを配置。ズームレバーでは対応する電動ズームレンズの操作ができ、レンズリング操作では難しい超低速ズームが可能となるほか、単焦点レンズ装着時でも画像劣化の少ない全画素超解像ズームが可能となるため、画角にバリエーションを加えることができる。

 

また、ボタンやダイヤル全15カ所に140種類の機能を割り当てられるカスタム設定も可能。撮影時には、カメラ前面と背面に配置されたタリーランプとカメラ上面のRECボタンが点灯するため、記録中かどうかがすぐに見分けられる。さらに、3.0型の高解像度液晶タッチパネルを搭載した横開きバリアングルモニターで、ジンバル搭載時のほか、ハイアングルや地面近くでの撮影の際に便利。このほか、絞り値・シャッタースピード・ISO感度のオート/マニュアルを個別でカスタマイズし、撮影者の意図に合わせて手早く切り替えができるフレキシブル露出モードがデフォルトで設定。カスタムボタンの短押しでダイヤルのロック/マニュアルの切り替え、長押しでオート設定が可能で、誤操作を回避できるプロユース対応の操作系を実現している。

▲ここの操作性はソニーのハンドヘルドから受け継いだ部分でボタンを押してオートとマニュアルの切り替え、マニュアルでダイヤル操作が可能というもの(上の写真では、アイリスとシャッターはオートで、ISOはダイヤルで変更できる状態)。アイリス、ISO、シャッターはすべて別々のダイヤルで操作する。

 

▲W-Tのズームレバーは電子ズームや電動ズームの対応レンズで機能する。

▲ボディの前後にタリーランプ。さらにREC中の赤い枠表示も。

 

放熱構造をはじめとした高い信頼性
小型・軽量ながら、サーマルシャットダウンのない長時間の4K60p記録を実現しています。カメラ内の熱を効率よく放出する新開発の冷却ファンを搭載したほか、手ブレ補正ユニットに熱伝導性に優れたグラファイト素材を使用しています。加えて、カメラ全体における放熱経路を最適化することで、イメージセンサーや画像処理エンジンの駆動に伴う熱を効果的に分散して放熱する。

・多彩な記録方式と接続系統などに対応する高い拡張性
・広ダイナミックレンジ・広色域での記録が可能なS-Log3/S-Gamut3に対応。
・4K(QFHD)およびFHDで、XAVC SおよびXAVC HSフォーマットによる内部記録に対応。
・HDMIケーブル経由で4K60p 4:2:2 10bitや16bit RAW動画などの外部出力に対応。
・CFexpress Type AカードとSDXCカード両方に対応したスロットを2基搭載。記録メディア自動切り替えによるリレー記録も設定可能
・IEEE 802.11ac規格準拠の5GHz帯に加え、複数のアンテナで通信品質を向上させるMIMO(2×2)に対応したWi-Fi機能、USB経由での高速有線LAN接続機能を搭載。
・モバイルアプリケーション「Imaging Edge Mobile」およびデスクトップアプリケーション「Imaging Edge Desktop」でリモート操作やデータ転送が可能。

▲HDMI Type A端子を採用。

▲2スロットでの同時記録が可能。

 

 

 

◉製品情報
https://www.sony.jp/pro-cam/products/ILME-FX3/index.html

ソニー株式会社
https://www.sony.jp/