DJI OM 4とiPhone 11 Pro Maxで家族のVlogを撮ってみた


REPORT◉

DJIから登場したスマートフォン用ジンバルOM 4。マグネット式のクイックリリースを採用し、即座に撮影に入れる。モーターパワーも向上し、使い勝手も向上したOM 4をiPhoneを駆使したVlogを得意とするANiUcafeさんが使用感をレポートする。

 

こんにちは、ANiUcafeのアニウです! 私は一眼用やスマホ用のジンバルを色々使って来ましたが、実はDJIのジンバルは未体験です。なので私のOM 4に対する使用感は、他社ジンバルとの比較になります。実際、数日間使用してみた印象をレポートしていきたいと思います。まず、ジンバル本体を手にした感覚は「案外大きいな」「割と重さもあるな」でした。それは私がよりコンパクトで軽量なスマホジンバルをいくつか所有してるからです。

薄いグレーを基調としたツートンカラーはかっこいいし、グリップも握りやすく、ボタンが並ぶ操作面に傾斜をつけてあるおかげで見やすくて操作がしやすいですね。

▲所有するスマートフォン用ジンバル達

 

 

ロック機構は秀逸

そして私が「DJI流石だな〜‼」と感心したのは、使用時と収納時のギミックです。他社のジンバル達もロック機構が付いたり、コンパクトに折り畳めます。しかし、OM 4ほど収納から撮影までの一連の流れを快適に行えるジンバルはありませんでした。ロック機構はジンバルの各軸がグラグラと動かないように固定でき、運搬時に安心で便利な機能なのですが、急に撮影のタイミングが来て、慌てて解除してみたものの、1箇所ロックを解除してなかった(汗)なんてことも起こります。しかし、このOM 4は撮影しようと広げればロックは勝手に解除され、スマホを取り付ければ直ぐに撮影できます。しまう時も爪に合わせて折り畳むだけでロックできます。

 

マグネットクイックリリース

OM 4で1番ワクワクしたのがマグネットクイックリリース。「もうスマホを挟み込むアクションすら必要ない時代が来たんだ‼」と。このマグネットクイックリリースには2種類あり、「磁気スマートフォンクランプ」を使う方法と「磁気リングホルダー」を使う方法です。どちらもジンバルへの取り付けがスムーズになり、即座に撮影できます。「使用時に外れてしまわないのかな?」という不安も実際使ってみると払拭されました。永久磁石を使用したマグネットは本体とアタッチメント両方に入っており、マークを目印に向けて合わせると強力にお互いが引きつけ合い、しっかりとスマホが保持されてることがわかります。DJIによると磁力は50N(ニュートン)あるようです(50Nは5kgを持ち上げられるパワー)。

▲左が磁気リングホルダー、右が磁気スマートフォンクランプ

▲磁気リングホルダーをスマホに貼り付けるための補助シート。

▲ジンバル側にも磁石。着脱が容易になり、即座に撮影に入れる。

 

ケースやレンズをつけた状態でも使えるペイロード

今回はiPhone 11 Pro Maxを載せてOM 4を試してみましたが、スマホケースを付けての運用もしてみました。薄型のケースであれば「磁気クランプ」でしっかりホールドできるので、ケースを使っての運用も可能です。ペイロード(最大積載量)は《230g ±60g》あり、前機種の《200g±30g》よりも強力なモーターを使用しているので、従来よりも重いスマートフォンでクリップ式のNDフィルター等を使用しても安定感のある映像が撮れました。また、スマホ用レンズを使用する場合は、カウンターウェイトを取り付けできるネジ切りされているので、レンズの重量に合わせてウエイトを取り付けて運用できます。iPhone 11 Pro Maxは重量が226g+磁気クランプの場合32.6g=258.6gですので数値的には残り31.4gとなりますが、60g程のレンズを取り付けた印象は、充分に安定していました(ペイロードを超えた使用は自己責任でお願いします)。


▲重いレンズをつけたときのカウンターウエイト

 

クランプは最初にスマートフォンの中心に合わせて取り付けます。専用アプリDJI Mimo内の「水平ジンバル調整」で、センター表示を確認しながらバランス調整ができます。モーターパワーが上がり、バランス調整も不要とのことですが、バランスが取れていることに越したことはありません。

▲水平ジンバル調整の画面

 

いざジンバルを起動

OM 4にスマホを取り付け、閉じたアームを起こして電源(「M」ボタンを長押し)を入れると、クルッと回転してポートレートモード(縦撮影)になります。電源ON/OFF兼用の「M」ボタンをダブルクリックするとランドスケープモード(横撮影)になり、再度ダブルクリックをする毎にこの撮影モードが切り替ります。縦でも横でも撮りたい時に直ぐに対応可能で、この機能の名は「クイックロール」といいます。

 

スマホを取り外すとスタンバイモードになるのが便利

そして、もうひとつ私が感動したことは、本体の電源が入った状態でスマホを取り外すとスタンバイ状態になることです。突然電話がかかってきた時に今まではジンバルに取り付けたままの状態でスマートフォンを何とかして耳に当てて通話をしていましたが、この機能は、撮影中でもスマートフォンを直ぐに外して電話として持ち替えることができて、「素晴らしい‼」と感心してしまいました。別のジンバルでは、スマホを取り付けずに電源を入れてしまい、ジンバルが暴れ出してしまうこともありましたが、OM 4はそうした場合でもスタンバイ状態になるので、安心です! なお、「M」ボタンをビープ音が1回鳴るまで長押しをすることでもスタンバイ状態にできます。「ユーザーのことを良く考えてるな〜‼」と感じることが幾つもあったジンバルでした。

▲スタンバイモードに入ると、モーターが止まり、ジンバルが脱力した状態になる

 

すべての機能を使うには アプリが必要

使い初めには、一度専用アプリとBluetoothで繋げてアクティベートしますが、次回からはアプリを立ち上げるだけでOM 4を認識してくれます。このジンバルには様々な機能があり、それらを全て使うのであればアプリでの撮影が前提となっているようです。OM 4の撮影機能の中で私が注目したものをいくつか紹介していきましょう。

 

【スピンショット】

最近のジンバルには「インセプションモード」という名前で備わっていて、目新しいものではなく、一眼用ジンバルを前方に倒してジョイスティック操作でカメラを回転させるものです。OM 4も同様ですが、スマホジンバルではジンバルを立てた状態で回転させます(すべてのスマートフォンジンバルがこの仕様ではないかもしれません)。そして、このモードは基本インセプションモードの為の機能ですが、「スピンショットモード」は、この状態でFPVモードのようにも使えるので、私は「面白いな〜‼」と思ったわけなのです。

 

【ジェスチャー操作】

これは顔の横に掌を広げたり、指でピースの形をかざすと、3カウントでシャッターや録画のスタートができます。もちろん、もう一度手をかざせはストップもできます。みんなで記念のスチル撮影でも、タイマー予約でシャッターを押してから走り込む必要がなくなるわけなんですよね‼

 

【ActiveTrack3.0】

この撮影モードは、画面上で指定したした被写体をジンバルが自動で追従する機能で、こちらも目新しいモードではありませんが、3.0へと進化して被写体の識別精度が改善されたようです。人物以外で動物や物でも追従可能で、色々試してみましたが楽しいですね〜‼ しかも、センターにある被写体をトラッキングしたい時にトリガーをワンプッシュすれば、被写体をマークしてすぐにActiveTrack3.0を起動できるのも心地良かったです‼ そしてマークした被写体は、最初に捉えたカメラ構図内の同じ位置でトラッキングし続けるのが普通だと思うのですが、ActiveTrack3.0はジョイスティックで操作して構図を変えることもできるのですから、撮影に自分の考えや思いを注ぐことができますよね‼ この機能を使ってトリガーをトリプルクリックすることで切り替わる「セルフィーモード」(自撮り撮影)も試してみましたが、「ジェスチャー操作」もONにしておくと、掌で録画スタートできて常に自分の顔を追ってくれるので、Vlog撮影される方にとって、これは心地良くて便利なのではないでしょうか‼

 

【分身パノラマ】

「分身パノラマモード」でOM 4が自動で動いて複数の写真を撮り、1枚のパノラマ写真として合成する機能です。各撮影のタイミングで様々なポーズをすることでユニークな写真を残せます。私は思わず何度も何度も撮影してしまいましたww。

 

【ストーリーモード】

ストーリーモードはショートフィルムで使用されるカメラワークで1分以下の動画をガイダンスに従って撮影をしていくのですが。簡単に進められて、テンプレートも14通りもあるので、雰囲気の良い動画を手軽に作ってSNS等へ投稿するにはピッタリな機能だと思います‼ 他の機能も使うと撮影が楽しくなりますので、購入されたらぜひ色々試してみて欲しいです。モードによっては設定次第で使用不可だったり、解像度等の制限があるので仕様書などでお確かめください。例えば、ハイパーラプスは4Kでは撮影できず1080pまでとなっていたり、ジャスチャー操作はFPVモード、スピンショットモード、カメラズーム3倍以上時には起動できません。

 

 

ジンバルの操作モード

ジンバルには「ジンバルがどう動くのか」というモードがいくつかあるのですが。OM 4には以下のモードがあります。

①パンフォロー(上下左右をフォローするモード)

②チルトロック(左右のみフォローするモード)

③FPV(すべての軸が固定されない自由なモーションのモード)※私の大好きなモードです!

④スピンショット(スマホを回転させながら撮影するモード)これら4種類のモードはアプリの設定画面で切り替えます。

⑤ロックモード(すべての軸が固定されるモード)このモードはトリガーをワンプッシュして押したままの状態で撮影します。

⑥スポーツモード(追従速度が上がり動きがクイックになるモード)。このモードはトリガーをワンプッシュした後に素早くもう一度ワンプッシュして押したままの状態で撮影します。アプリ内の設定画面で常時ONにしておくことも可能です。

それぞれの軸のフォローの速度やデットバンド等の設定はできないようですが、ジョイスティックの速度は3段階(高速・中速・低速)を選択できます。あと、ズームレバーによるズーム速度の変更や、ジョイスティックを動かした時の動く方向を変えることも可能です。

また、「M」ボタン1回押した時の操作を「写真/動画」か「クイックメニュー」のどちらかを選べるのですが、私は「クイックメニュー」が良いなと思いました。「クイックメニュー」の方を選択しておくと「M」ボタンを1回押すことで、スマホの画面をタッチして選んだり、切り替えなければならない撮影モードやフォローモードの切り替えを、ボタンの操作で可能で「これも便利な機能だな〜‼」と思いました。

 

動作に関しては、撮影をしていて変な振動もなく、パワーがあるのでそれぞれどのモードを使っても非常に安定感がありました。

そして、このOM 4の独特なアーム形状の恩恵を体感することもできました。それは、ペンライト持ちで撮影をしていてその状態でグリップを右側へ倒していくことで地面ギリギリまでスムーズに動かせるんですよね〜‼ インバート撮影(逆さ吊り撮影)へも同様にスムーズでクイックに移行できます‼使っていて安心感のあるジンバルでした。

 

 

他の撮影アプリとの連携

私はiPhoneを使った撮影が好きで良く撮っています。その際にジンバル専用の撮影アプリよりも、純正のカメラアプリであったり、FilmicProやMomentやProtake等、他のアプリを使って撮影することがほとんどです。そして、それらの中にはジンバルと連動するアプリもあり、DJIのジンバルにも対応していものもいくつかあります。こうした撮影アプリとの連携があるかどうかは私のなかでかなり大きいです。なかでも、連携具合が素晴らしいのがFilmicProとMomentです。

▲撮影アプリ「filmicPro」

 

ジンバルの録画ボタンを押せば、アプリ側でも撮影スタート&ストップができるのは、大抵の撮影アプリで可能ですが、FilmicProとOM 4の間では、様々な操作が割り当てられており、FilmicProが大好きなだけに使っていてうれしくなります‼

純正アプリと同様に一度繋げておけば、FilmicProを立ち上げれば直ぐにOM 4操作できます。ISOやシャッタースピードといった露出のマニュアル操作、フォーカスやズームのマニュアル操作、AE・AFの呼び出しやON・OFF、セルフィーモードへの切り替え、さらにフルフレームレチクルモードにも対応しています。これらすべてをOM 4側の操作することができます。

フォーカスに関してはコントロール画面を指で左にスワイプすることでフォーカス速度の設定ができますので、OM 4での自分の意図するコントロールが可能になります。

もうひとつのアプリ、Momentに関してはFilmicProにはないカメラレンズの切り替えが「M」ボタンのワンプッシュで可能です。それからズームレバーに、EV・シャッタースピード・フォーカス・ホワイトバランスのなかからひとつの機能を割り当てて、コントロールできます。

 


▲撮影アプリ「Moment」

 

DJIへの期待

私にとって残念なことがひとつあります。それはジンバルのモード切り替えがアプリでしかできないことです。今までのスマホジンバルはモード切り替えが物理ボタンでの操作でも可能でした。ぜひ、ここはファームウェアのアップデートで叶えて欲しい点です。例えば、トリガーを押しながら「M」ボタンの押す回数で切り替えられたりするとうれしいのですが…。

ただ、ユーザーの目線で考え、こんなに素敵な製品を作り出すDJIというメーカーであれば、私の小さな声も受け取ってくれそうな気がします!! スマホとジンバルで、気軽に撮るのも良し、本気で撮るのも良し、iPhoneは映画撮影にも進んで使われるようになりました。そこにDJIのジンバルがある光景は、この先もっと多く目にする日が待ってるのではないでしょうか。そして今後、OM 4から5へ、5から6へ、さらにワクワクするような進化を私たちに味合わせてくれる、そんな期待を抱かせてくれるジンバルでした。

最後に言い忘れましたが、付属の三脚を付けて立たせた時のジンバルの佇まいがカッコイイんですよね〜!!

 

●DJI OM 4の製品概要

https://www.dji.com/jp/om-4