(3月3日、主な特徴を訂正、アプリについての記述を追加しました)

ソニーは、新たに開発した有効約2420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor Rと最新の画像処理システムを小型ボディに搭載したレンズ交換式デジタル一眼カメラ 『α7 III』を3月23日より発売する(予約販売受付は3月2日(金)10時より)。価格はオープンで、市場推定価格はボディのみ税抜き23万円前後、FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSの付属するレンズキットが25万円前後。

ソニーではα7シリーズのフルサイズ一眼としては、上位機としては高画素タイプのRIII、高感度タイプのRIISIIがあり、ノーマルα7としては3世代目ということになる。位置付けとしてはフルサイズ一眼のベーシックモデルにはなるが、これまでのベーシックの常識を超えた機能、性能を注ぎ込んでいるという。

動画関連の機能だけをチェックすると、今回は順当に4K記録に対応(前モデルのα7 IIは4K記録に対応していなかった)。フルサイズ領域で画素加算のない全画素読み出しにより、4K(QFHD:3840×2160)映像に必要な画素数の約2.4倍(30pでは約1.6倍の画素数だという。画角は1.2倍テレ側にシフトする)の豊富な情報量を凝縮して4K映像を出力するというので、オーバーサンプリングによる解像感も期待できる。ピクチャープロファイルでは、S-Log 2(PP7)、S-Log3(PP8、PP9)に加えて、HLG(PP10)にも対応。記録フォーマットは従来どおりXAVC S。ハイスピードはHD/120fpsまで対応する。

これまでのα7SIIなどでは、バッテリーNP-FW50の容量が問題になっていたが、α9以降に発表された製品は、α7RIII、α7IIIともに、FW50の約2.2倍の容量を持つ高容量バッテリーNP-FZ100に対応した。α7IIIでは、ミラーレスカメラとして業界最大の710枚の静止画撮影が可能になった。これは動画でも期待できそうだ。またカードスロットもベーシック機としては珍しくデュアルスロット(スロット1のみUHS-II対応)になっている。
ボディはα7RIIIと形状としてはほとんど同じだが、RIIIが液晶パネル側までマグネシウム合金だったのに対し、α7IIIはパネル側は樹脂になっており、若干の軽量化とコストダウンが図られている。
α7シリーズは世代を経るごとにムービー機能も進化してきた。α7IIIは新たにHDRにも対応したことで、予想通りの順当な進化と言える。この次は動画ユーザー期待のα7Sシリーズの第3世代が控えていると思われるが、そこでは順当進化程度ではなく、動画重視の姿勢をさらに鮮明にしてもらいたい。最低でも4K/60p対応、10bit記録対応といったGH5に劣らないスペックの実現を期待したい。
とはいえ、α7IIIは動画も静止画もというハイアマチュアユーザーには価格も含めて魅力的なモデル。ムービー機としては、4K/24p、30p時、ハイスピード時の画質と画角の変化、AF性能、フルサイズでのインスタントHDRの効果などを今後、実機で確認してみたい。
また、α9以降の機種で、タイムラプスやスタートレイルなどの機能を実現するアプリ(PlayMemories Camera Apps)が利用できなくなっていて、α7RIII、α7IIIも同様。α9のユーザーはアプリは使わないのではないかということで外したとのことだが、現状、他社のカメラではタイムラプスくらいは本体内の内蔵機能でできるようになっていて、α7RIII、α7IIIでできなくなってしまっているのは不可解だ。ファームアップでの対応を望みたい。

RX0とマルチ端子で接続した同時撮影を実現

RX0をサブカメラとしてメインカメラと接続し、異なる2つのコンテンツの同時撮影を実現するレリーズケーブルもVMC-MM2として発表された。2018年5月25日発売予定で、価格は税別5000円。メインカメラ側のシャッターボタンでサブカメラRX0のシャッターが切れるというもので、イベントなどをワイドとアップを同時に押さえたいカメラマンからの声があって企画したという。

動画で使用する場合は、メインカメラのメニューから「シャッターボタンで動画撮影」を「する」に設定する。設定できるモデルは、α9、α7RIII、DSC-RX10M4となっている(2018年2月26日時点)。RX0はレンズが広角ということを生かして、メインカメラで人物アップを撮りながら、まっく同じ時間で状況説明するカットを撮ることができる。ただし、残念ながらRX0は本体記録としては4Kに対応していない。

 

α7Ⅲの主な特徴

・35mmフルサイズ裏面照射型の有効約2420万画素「Exmor R」CMOSセンサー

・進化した画像処理エンジン「BIONZ X」

・常用ISO感度を最高ISO51200まで高め、ISO100~51200(拡張ISO50~204800)の広い感度域をカバー

・5.0段の光学式5軸ボディ内手ブレ補正機能

・撮像エリアの約93%をカバーする範囲に693点の像面位相差検出AFセンサーを配置し、コントラストAFを従来機『α7 II』の25点から425点に多分割化し、検出精度が大幅に向上。

・画素加算のない全画素読み出しによる解像力の高い4K動画記録がフルサイズ(4K/24p時)で可能

・4K/30p時は1.2倍にクロップされるがそれでもAPS-Cより撮像面積は広い

・インスタントHDRワークフローを実現するHLG

・S-Log2に加えて、シャドウからミッドトーンにかけての階調特性を重視したS-Log3を搭載。S-Log3設定時は14ストップの広いダイナミックレンジを実現

 

商品詳細
https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7M3/

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