ブラックマジックデザインは、欧州アムステルダムで開催されている国際放送機器展IBCにおいて、新製品、バージョンアップ、買収などを発表した。

新しいDeckLink Mini 4Kモデルを発表

新製品は、DeckLink Mini Monitor 4Kというプレビューモニター用のカードとDeckLink Mini Recorder 4KというPCIeキャプチャーカード。
人気製品のDeckLink PCIeカードがアップグレードし、Ultra HDおよびHDRをサポート。


どちらのモデルも2160p30までのあらゆるSD、HD、Ultra HDフォーマットをサポートする。
新しいDeckLink Mini 4Kモデルはロープロファイルの4レーンGeneration 2 PCI Expressカードで、6G-SDIおよびHDMI 2.0aインターフェースを搭載している。これらの高品質インターフェースで放送局品質の10-bit YUVおよび12-bit RGBビデオ、そして最新のRec. 2020カラーをサポートし、HDRフォーマットおよびHDRメタデータにも対応可能。
また、どちらのDeckLink Mini 4KモデルもBlackmagic Desktop Video SDKと完全な互換性を持っているため、再生・収録ソリューションをカスタマイズするOEMやデベロッパーに最適。
DeckLink Mini Monitor 4Kは、2160p30までのあらゆるフォーマットで、放送局品質を凌駕するSDIおよびHDMIのモニタリング・再生を実現できるため、DaVinci Resolveなどを使って作業するエディターやカラリストにうってつけ。出力はすべてのビデオフォーマット間で自動的に切り替わるため、テレビ、プロ仕様モニター、最新のHDMIプロジェクターなどとの使用に最適で、さらにDeckLink Mini Monitor 4KはHDR再生をサポートしており、世界で最も低価格のHDR再生ソリューションとなっている。価格は19,980円。
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DeckLink Mini Recorder 4Kは、デッキやカメラなどのSDIおよびHDMIソースから放送局品質のビデオをコンピューターへ直接キャプチャーできる。ロープロファイル規格のDeckLink Mini Recorder 4Kは多用途に使用でき、モバイル式のライブキャプチャー環境や野外中継車などに簡単に組み込める。どちらのモデルもQuickTimeやDPXなどのオープンスタンダード・ファイルフォーマットで非圧縮および圧縮ビデオを扱うことが可能なため、事実上ほぼすべてのプロ仕様の編集、カラーコレクション、ビジュアルエフェクトソフトウェアと使用可能。つまり、ユーザーはDeckLink Mini 4Kモデルを、DaVinci Resolve、Fusion、Media Composer、Final Cut Pro、Premiere Proなどのソフトウェアと使用できる。価格は19,980円。
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DaVinci Resolve 12.5.2アップデート

DaVinci Resolve 12.5.2は、URSA Miniカメラの追加メタデータサポート、QuickTimeエクスポート時のカラースペースタグ、LinuxでのFusion Connect、高度なフィルタリング・オプションなどを追加。DaVinci ResolveおよびDaVinci Resolve Studioのユーザーは、Blackmagic Designのウェブサイトから無償でDaVinci Resolve 12.5.2アップデートをダウンロードできる。
DaVinci Resolve 12.5.2アップデートは、URSA Miniカメラで新しいオペレーティングソフトウェアを使用する際、RAWファイルにエンベッドされた追加メタデータのサポートに対応。新しいソフトウェアにより、URSA Miniのユーザーは全く新しい「スレート」を使用できる。タップ/スワイプのジェスチャー、データ入力予測機能、使用頻度の高い用語のディクショナリー機能を使用して、これまで以上にスピーディなメタデータ入力が可能。これにより、URSA MiniとDaVinci Resolve 12.5.2を使用しているユーザーは、編集やカラーコレクションの際に、新しいメタデータを活用してフッテージの管理、スマートビンの作成、クリップのフィルタリングができる。

Video Assist 2.2メジャーアップデート

今回のアップデートで、DNxHDおよびDNxHRのサポートが劇的に向上。さらにフォルスカラーモニタリング、フォーカスのオプション、新しいスクリーン回転機能が追加された。すべてのBlackmagic Video Assist 4Kユーザーは、Video Assist 2.2アップデートをBlackmagic Designウェブサイトから無償でダウンロードできる。
新しいVideo Assist 2.2アップデートによって、ユーザーはDNxHDおよびDNxHRファイルをMXFコンテナに保存できる。これでWindowsで起動するAvidシステムとの互換性が向上し、.movファイルフォーマットへの依存が排除される。また、ユーザーは収録時にDNxHD 220、145、45ビットレートから、あるいはDNxHR HQ、SQ、LBフォーマットから選択できる。
フォルスカラー露出ツールは、特定輝度のカラーレンジをソリッドカラーのオーバーレイで表示することで、イメージ内の様々な領域で露出を適切に設定できるもの。たとえば、緑はニュートラルグレーを意味し、ピンクは肌トーン(通常はニュートラルグレーよりもう一段階明るいFストップ)の参照となる。フォルスカラーを使用することで、カメラオペレーターはショットとショットの間で一貫性のある露出を保つことができる。
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またVideo Assist 2.2アップデートは、フォーカスアシストのオプションを追加。ユーザーはフォーカスアシストの表示を赤、緑、青、黒、白、または従来のフォーカスピーキング表示から選択できる。これらの新オプションにより、ユーザーは今まで以上に幅広いシーンで、様々な照明条件下でフォーカスを簡単かつ正確に調整できる。さらに、スクリーンの方向もマニュアル・コントロールに対応。スクリーンの自動回転を無効にすることで、ハンドヘルドのジンバルや、カメラとリグを同時に動かすその他の機器でBlackmagic Video Assist 4Kを簡単に使用できる。

放送品質スタンダードコンバーター、Teranex AVを発表

Teranex AVは、12G-SDIおよびHDMI 2.0aの入力、ループスルー、出力を搭載。さらに低レイテンシー、スチルストア、フリーズフレームなどオーディオビジュアル専用の機能や、プレゼンテーションや会議などライブステージを担当するプロのためのHiFiオーディオ入力も搭載している。¥175,800
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Fairlight社とUltimatte社の買収を発表


ブラックマジックデザインは、IBC初日の9月9日、Fairlight社とUltimatte社の買収を発表した。Fairlight社はライブ放送イベントの制作、映画/テレビのポストプロダクション、没入型3Dオーディオのミキシング/フィニッシングを可能とするプロ仕様デジタルオーディオ製品を開発している。Ultimatte社はテレビ、CM、劇場映画の分野におけるブルー/グリーンバックの除去テクノロジーで世界を牽引する企業。
ブラックマジックデザインのグラント・ペティCEOはFairlight社買収について、
「Fairlightが映像制作向けに開発しているデジタルオーディオ・ソフトウェアおよびハードウェアは、世界で最もパワフルなものです。今回の買収がエキサイティングな理由に、驚異的なハイエンドのプロフェッショナル・オーディオ・テクノロジーを、Blackmagic Designのすばらしいビデオ製品と統合できる点があります。Fairlightチームと協力して、さらにエキサイティングな新製品をユーザーの皆様に提供できる日が待ちきれません!」
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また、Ultimatte社買収について
「Ultimatteは世界中のほぼすべての主要な放送ネットワークで使用されています。UltimatteとBlackmagic Designを統合できることは大きな喜びです。革新的な製品を作り続けてユーザーの皆様に提供できることはとてもエキサイティングです!」
と語っている。
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