アップルは、iPad用の「Final Cut Pro 2」を発表した。今春後半より既存ユーザーには無料アップデートとして提供。新規ユーザーはApp Storeで月々700円または年間7,000円のサブスクリプションとして利用でき、1か月間の無料トライアルがある。
映像編集アプリ「Final Cut Pro 2」は、ライブマルチカムに対応するために、ビデオ撮影アプリの「Final Cut Camera」を通じてワイヤレスに接続し、同時に最大4台のカメラを接続してプレビューできる。
「Final Cut Camera」は、iPhoneとiPadの単体のプロ向けビデオ撮影アプリとしても機能する。外部プロジェクトに対応することで、外付けドライブから直接プロジェクトを編集でき、iPad Proの高速なThunderbolt接続を活用できる。
ライブマルチカム
iPadのためのFinal Cut Pro 2は、ユーザーが自身のデバイスで作業する場合でも、ほかの人と共同作業する場合でも、1つのシーンを最大4つの異なるアングルから撮影できる革新的な新しいソリューションとなるライブマルチカムを提供する。
ライブマルチカムは新しいビデオ撮影アプリのFinal Cut Cameraを通じてワイヤレスで接続し、ユーザーは最大4台のiPhoneまたはiPadデバイスを確認することが可能になり、リアルタイムで各カメラのディレクターズビューを提供できる。
それぞれのライブカメラフィードは、iPadのためのFinal Cut Pro 2から設定を調整できるので、露出、フォーカス、ズームなどを簡単にダイヤル調整できる。編集可能なプレビュークリップはiPadのためのFinal Cut Proにすぐに送信され、バックグラウンドでフル解像度のファイルと置き換えられるので、ユーザーは制作から編集へシームレスに移行できる。
Final Cut Camera
iPadのためのFinal Cut Pro 2のライブマルチカムに対応するために、各ビデオフィードのライブモニタリングや個別のコントロールを可能にするアプリ「Final Cut Camera」がiPhoneとiPadに登場。iPhoneとiPadのカメラシステムを活用して、ユーザーはゼブラやオーディオメーターを使って撮影内容をモニタリングしながら、Final Cut Cameraでホワイトバランス、手動フォーカスなどの設定を調整できる。
また、ISOやシャッタースピードの調整と、フォーカスピーキングが可能になり、iPad AirとiPad Proのカメラシステムにさらにパワーがもたらされる。Final Cut Cameraは、iPhoneとiPadで高い精度でマニュアルコントロールを使用してプロ仕様のビデオを撮影するための、単体のビデオ撮影アプリとして無料でダウンロードすることもできる。
外部プロジェクトに対応
ストレージの柔軟性をさらに高めるために、iPadのためのFinal Cut Pro 2は外部プロジェクトに対応。ユーザーは、外部ストレージデバイス上でプロジェクトを簡単に作成したり、開いたりすることができ、iPadの容量を使用せずにメディアを読み込むことができる。
また、外部プロジェクトをすぐに別のユーザーに渡したり、MacのためのFinal Cut Proに取り込むことができる。外部ストレージ上で新しいプロジェクトを作成することも、高解像度ファイルやProResなどのプロ向けコーデックやLogをシームレスに読み込むこともできる。
カスタマイズの方法がさらに充実
iPadのためのFinal Cut Pro 2には、プロジェクトをカスタマイズするさらに多くのオプションが用意。ユーザーは、12個の新しいカラーグレーディングプリセットを使って編集をダイヤル調整し、8つのベーシックテキストタイトルから選び、20の新しいサウンドトラックで音楽を作り、ダイナミックな背景を追加して、エフェクトオーバーレイやタイトルシーケンスを作成できる。
新しいApple Pencil Proは、iPadのためのFinal Cut Pro 2のユーザーにさらに高い精度をもたらします。ライブ描画がバレルロールに対応し、ユーザーは選択したツールをさらに正確にコントロールできるようになり、スクイーズで多くのブラシや設定をすぐに表示できます。
MacのためのFinal Cut Pro 10.8
Macでは、AppleシリコンのNeural Engineを活用し、新しいAI機能と管理ツールがFinal Cut Pro 10.8に追加。既存ユーザーには無料のアップデートとして提供される。
Final Cut Pro 10.8ではEnhance Light and Colorが導入され、色、カラーバランス、コントラスト、明るさを1つの簡単なステップで改善する機能が利用でき、SDR、HDR、RAW、Logエンコードされたメディア向けに最適化されている。Smooth Slo-Moでは、ビデオのフレームを賢く生成してブレンドすることで、最高品質の動きを提供し、プロジェクトにさらにドラマチックな表現をもたらすといしている。
また、ポストプロダクションワークフローの効率化のために、インスペクタで色補正とビデオエフェクトにカスタムの名前を付けて、クリップに適用された変更を特定しやすくすることができる。さらに、エフェクトをインスペクタからタイムラインまたはビューアの別のクリップにドラッグすることができる。
タイムラインインデックスは、メディアやエフェクトが見つからないクリップを検索して閲覧する機能を提。テキストベースのタイムライン検索には、リール、シーン、カメラアングルのような重要な情報が含まれるようになる。
Apple Japan
https://www.apple.com/jp/