富士フイルムがプロジェクター市場に参入! 屈曲型二軸回転機構レンズで設置の自由度をあげた超短焦点プロジェクター FP-Z5000を発表


 富士フイルム株式会社は、世界初の「屈曲型二軸回転機構レンズ」を搭載し、本体を動かさずにレンズの回転だけでさまざまな方向へ投写できる超短焦点プロジェクター「FUJIFILM PROJECTOR Z5000」(以下、「FP-Z5000」)を2019年4月より発売すると発表した。

「FP-Z5000」は、スペースの制約でこれまで置くことができなかった場所でも簡単に設置でき、従来投写できなかった方向にも迫力のある映像を映し出すことができる画期的なプロジェクター。

 助野健児社長は発表会において、「富士フイルムは今年で創業85周年を迎えるが、NEVER STOPの精神で困難を乗り越え、ここまで継続してきた。1990年代まではフィルムで、2000年代以上はデジタル化への対応に挑戦することで未来を切り開いてきた。特に平成の30年間は写真フィルムの需要が激減するなか、経営改革を推し進め、デジタル化だけでなく、フィルム技術をいかしたヘルスケアや材料など多岐に事業を展開してきた。これまで変化に対応してきたが、これからは変化を予測して備える企業、変化を作り出す企業になっていく。再生医療など幅広い分野で社会に貢献していきたい」と語った。

基幹技術の中核になるのは、1944年に遡るレンズや光学技術で、現在では4K/8K放送対応レンズ、シネレンズで最先端を走っている。そのレンズは光学の入り口だけではなく、出口にもなるもの。今回のプロジェクター事業は富士フイルムの新たなビジネスとして、満を持して新規参入する。

光学・電子映像事業部長の飯田年久氏は、「今、なぜプロジェクターなのか?と言われる。たしかにプロジェクターの市場は年間780万台で推移していて伸びてはいない。しかし設置スペースの制約があって活用できない例は多く、潜在需要はあるとみている。その制約を解消する画期的な技術が、今回の屈曲型二軸回転機構レンズであり、これにより、新たな設置、用途が広がっていく」と期待する。

右は助野健児社長、左が飯田年久 光学・電子映像事業部長。

本製品の発売を機にプロジェクター市場へ新規参入し、今後数種類のラインナップを展開し、さらなる事業拡大を図っていくとしている。

今回発売する「FP-Z5000」の主な特長は以下のとおり。

  • 最先端の「FUJINON レンズ」の光学技術を活かして開発した、世界初の「屈曲型二軸回転機構レンズ」を搭載。レンズを上・下・前・後・左・右の向きに切り替えることで、本体を動かさずにさまざまな方向へ投写することが可能。壁やスクリーンのみならず、天井や床などにも映像を映し出すことができるほか、映像の向きを縦・横自在に切り替えることもできる。
  • 超短焦点レンズにより、わずか75cmの至近距離から100インチの迫力のある大画面映像を映し出す。
  • 上下82%・左右35%のレンズシフト機能を備えているため、広い範囲で映像の位置を簡単に調整することができる。
  • 高度な光学設計のノウハウを活かした大口径球面・非球面レンズと、耐久性に優れたレーザー光源を採用。映像周辺部まで歪みや収差を抑制し、明るく美しい映像を安定的に映し出す。

ボディは設置場所を想定してブラックとホワイトの2色。

発売時期は2019年4月で、価格はオープン価格で想定は税別100万円未満。

本体は縦置きと横置きの両方に対応。ボディは108mmという厚みでレンズ収納時にはレンズとプロジェクター本体が直方体に収まるで持ち運びもしやすい。

 

技術的なポイント〜大口径非球面レンズなど

デバイスは0.65型16:9のDLPチップ1枚で、画素数は1920X1080。光源はレーザーダイオードで明るさは5000lm、コントラスト比は12,000:1。投射サイズは70型から300型、投射距離は約0.5mから2.3m。

入力端子はHDMIが3系統、RJ-45が1系統。

このモデルはフルHD対応だが、今後、4K HDRや色再現にこだわったモデルなどのラインナップ展開も考えていきたいという。

最大のポイントはレンズブロック。ズーム倍率は1.1倍でこれは画角調整用であり、超短焦点レンズながら二箇所で折り曲がる。カメラ用など入力用レンズであれば、カメラ側で補正するという手法もあり得るが、プロジェクターの場合は出力なので、周辺の補正ができない。光学の段階で周辺まで解像度が保たれ、収差がない必要がある。さらに幅広いレンズシフト機能があるため、レンズの中心だけでなく周辺まで歪みや収差の少なさを求められる。

特徴的なのは前玉で、覗き込むと複雑な大口径非球面レンズになっている。

 

用途提案〜天井や床へのプロジェクションなど

発表会場では実際に用途がイメージできる使い方を見せていた。

まずは、ホテルのフロントの後ろ側に投影するイメージ。客からは見えないカウンターのなかに設置でき、すぐ後ろの壁に大きく映像を表示できる。

天井や床へのプロジェクションの例。2台のZ5000を平置きで設置し、下のZ5000から天井に投射、天井のZ5000から床に投射。もちろん映像がかぶらない位置から投射することができる。建物のエントランスなどを想定している。

 

2つの壁にL字投射して、10m、450インチ相当のワイドスクリーン。Z5000は3台使用する。歪みが少ないので、エッジブレンディング処理が容易になる。

 

美術館やギャラリーなどを想定したポートレート投射。90インチ相当の縦型で、Z5000は天井に設置して壁に投射する。スクリーンに近づいても映像が影で隠れることがない。

 

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