ブラックマジックデザインは、サリー・ルーニー(Sally Rooney)の著書でニューヨークタイムズのベストセラー小説「Normal People」のテレビ版のグレーディングおよびフィニッシングにDaVinci Resolve Studioが使用されたと発表した。

オスカーおよびBAFTA受賞歴のある制作会社であるElement Picturesが制作した同作は、現在までにBBC iPlayerでの再生回数が4800万回近くに及んでいる。アイルランドのラブストーリーを描く、この12話のドラマは、イギリスとアメリカの視聴者の心を鷲掴みにし、多くの批評家から高い評価を得ている。

同作は、レニー・エイブラハムソン(Lenny Abrahamson)氏とヘッティ・マクドナルド(Hettie Macdonald)氏がディレクターを務め、撮影監督はBSCのスージー・ラベル(Suzie Lavelle)とケイト・マッカラ(Kate McCullough)の両氏が務めた。Outer Limitsのカラリスト/取締役であるギャリー・カラン(Gary Curran)氏が同作のポストプロダクションすべてを行なった。グレーディングおよびオンライン/最終納品用の作業は、DaVinci Resolve StudioでACESワークフローを用いて行われた。

カラン氏は語る。

「この番組のカメラワークは非常に素晴らしいですね。スージーは、K35レンズを使用することでフレアと霧の効果に加え、ハイライトとコントラストがソフトな映像に撮影しました」

「全体を通して、既にあるものから何も差し引かないように作業を行いました」

と同氏は続ける。

「スージーとケイトの撮った映像を引き立てることに集中しました。様式化され過ぎずに、デジタルインターミディエイトで自然になるようにしつつ、イメージにわずかな深みを維持させるためのバランスを見つけることに重点を置きました」

シリーズを通して、それぞれの場所と時間が独自の世界として映像に表現されている。これは、単純にグレーディングに限ったことではなく、美術、衣装、撮影、監督など、他のすべてにおいても徹底された。

同氏は語る。

「学校でのシーンは、登場人物の制服の灰色と青を反映しました」

「トリニティ・カレッジではカラーが深みを増します。暖かい色相の赤、オレンジ、茶色が使われています。イタリアでのシーンは、明るくシャープな印象に仕上げました。これは、スウェーデンでの生活に馴染めないマリアンのシーンと極めて対象的なコントラストを成しています」

スウェーデンでの室内のショットは実際はダブリンで撮影されたと同氏は語る。マリアンの心の状態を反映し、暗く、寒々とした印象にグレーディングされた屋外のシーンに室内のショットの一部もマッチするようにしたという。

同氏は続ける。

「非常に接近したクローズアップを用いたカメラワークだったので、主要登場人物と常に一緒にいる感覚になります。まるで、彼らの真横に座って、頭の中の葛藤を実際に見ているような感じがします。ボディランゲージ、身ぶり、視線はすべて、物語を伝える上で鍵となる要素なので、それを視聴者がはっきりと見られるようにすることが重要でした」

「一部の屋内でのショットで、映像の暗い部分やシャドウに照明が上手く行き渡っていない場合がありました。それを、そのショットのスタイルとして維持することもありましたが、顔を引き立てるためにResolveのチャンネルミキサーを使用して、スキントーンの範囲を狭めました。グリーンやブルーが強すぎる場合、スキントーンを自然でソフトに保ったまま、それらのレベルを調整できました」

Normal Peopleについて

Normal Peopleは、マリアンとコネルの思いやりに満ちながら複雑な恋愛関係を追った物語。二人が暮らすアイルランドの小さな町での学生生活からトリニティ・カレッジでの日々を描いている。マリアンの家で掃除婦として働く母をコネルが迎えに行った時に、二人のティーンエイジャーの間に消すことのできない絆が芽生えた。しかし、二人はこれを隠すことに決める。Normal Peopleでは、二人がそれぞれの人生に互いに出入りする姿を通して、親密さと若者同士の愛の複雑さを写し出している。

サリー・ルーニーの原作に基づき、アリス・バーチ(Alice Birch)とマーク・オロウ(Mark O’Rowe)が脚本を担当した同作は各30分、全12話の連続ドラマで、Element Pictures(女王陛下のお気に入り、ルーム、ロブスター、Dublin Murders)が制作を担当し、HuluとBBC Threeで放送されている。製作責任者は、Element Picturesの「女王陛下のお気に入り」、「ルーム」、「ロブスター」、「Dublin Murders」で知られるエド・ガイニー(Ed Guiney)、「女王陛下のお気に入り」と「ロブスター」のアンドリュー・ロウ(Andrew Lowe)、「Rosie」と「A Date for Mad Mary」のエマ・ノートン(Emma Norton)、「No Offense」と「Prisoners’ Wives」のアナ・ファーガソン(Anna Ferguson)。サリー・ルーニーとレニー・エイブラハムソンは製作責任者としても参加している。同作の第1話から6話まではレニー・エイブラハムソンがディレクターを務め、第7話から12話はヘッティ・マクドナルドがディレクターを務めた。同作は、Endeavor Contentにより世界的に配給されている。

 

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