DJIのアクションカメラOsmo Actionシリーズ最新モデルOsmo Action 5 PROが登場。10bit Log撮影に加えて、4K/60p HDR出力と4K/120p 4:3 (3840 × 2880)全画素録画に対応するアクションカメラを沖縄在住のUIデザイナー・ビデオグラファーとして活動する河原崎さんに前モデルのOsmo Action 4と使い比べてもらい、使用感をレポートしてもらった。

レポート◉河原崎  平

2021年より東京から沖縄へ移住。Web制作会社にUIデザイナーとして勤務する傍ら、個人でもビデオグラファーとして活動しています。
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前モデル登場から約1年、DJIのアクションカメラに最新型の「Osmo Action 5 PRO」が登場しました。

筆者は普段ミラーレス一眼カメラを使って撮影しており、Osmo Actionシリーズは過去に数回使ったことがありますが、今回は名称に「PRO」の冠が付いた分、どれくらいの変化を遂げているか楽しみでした。

今回はこのカメラの特長や進化ポイント、実際に筆者が在住している沖縄の海などで使用した感想を中心にレポートしました。

記事の後半には、このカメラで撮影した作例動画もあるのでぜひご覧ください。

外観

まず外観についてですが、サイズ感は前モデルとほぼ同じ。下の写真の左がOsmo Action 5 PROで右が前モデルのOsmo Action 4です。並べて見ても大きな違いはありません。

前モデルとのサイズ比較。


撮影ボタンやバッテリー蓋の位置、そして操作の基本的なUIも前モデルから引き継いでいるので、以前のシリーズを使ったことのある私にとって、使い勝手や操作感が変わらないのは嬉しいポイントでした。

上部は撮影ボタンとマイク。下部はハンドグリップのジョイント。
左は電源ボタンとUSB-C。右はバッテリーとmicroSDカード。

ここからは実際に「PRO」たる所以である、進化した中身についてご紹介していきます。


低照度&ダイナミックレンジに優れた新しい1/1.3インチセンサー

まずはセンサーについてです。今回搭載された次世代の1/1.3インチセンサーは、13.5ストップのハイダイナミックレンジで低照度環境にも優れ、明暗部も鮮明に捉えたクリアでシャープな映像を撮影することができます。

また10-bit & D-Log M & HLGでの撮影に加え、4K/60 HDR出力と4K/120 4:3 (3840 × 2880)全画素録画に対応しています。

実際に光量の少ない夕暮れのシーンで撮影しましたが、10-bit & D-Log M のおかげで普段使用するミラーレス一眼カメラの撮影素材に近い感覚で、柔軟なカラーグレーディングができました。

夕暮れ時に撮った動画のワンシーン。こちらはカラーグレーディング前。
こちらはカラーグレーディング後。かなりコントラストと彩度を上げましたが、広いダイナミックレンジのおかげで滑らかな階調を維持したまま編集ができました。


バッテリー最大持続240分による安定性と信頼性で、ベストシーンを逃さない

バッテリーの持続時間は、業界初の高性能4nmチップ搭載により最大240分と大きく進化しました。

海の中での撮影などは、1度潜ったら長い時間録画したままにすることが多いので、この進化のおかげでバッテリー切れの心配は減り、よりベストシーンの撮影チャンスを生み出すことができます。

その他、防水ケース無しで水深20mまでの対応や圧力計の内蔵、Wi-Fi 6.0対応、-20°C~45°Cの過酷な条件下での動作など、あらゆる面で安定性と信頼性が向上しました。

実際のテスト撮影は真夏の炎天下や海中でしたが、動作が止まること無く安定した撮影ができました。


充分な容量を備えた内蔵ストレージを搭載

今回から47GBの内部ストレージが搭載されました。日帰りのvlogやライトな撮影であれば、万が一microSDカードを忘れても充分な容量を備えて撮影が可能です。

また私の持っているmicroSDカードは書き込み速度が遅いため、スローモーション撮影などが充分にできなかったのですが、内部ストレージではそういったSDカードによるトラブルが起こらないことも嬉しいポイントです。

記録媒体の選択画面。


ミラーレス一眼カメラに匹敵する40MPの静止画

静止画の画素数は前モデルが9.98 MPに対して、今回は40MP(最大解像度7296×5472)と向上しました。これは現在発売されているミラーレス一眼カメラにも匹敵する(機種によっては上回る)画素数です。もちろんJPEG/RAWに対応。

これによりトリミングの自由度が上がるなど、静止画としての用途も広がりました。

沖縄の水納島で実際に撮影した写真。アクションカメラならではの広角での風景を、高い解像度でくっきり映せました(画像をクリックすると原寸大の画像を表示できます)。


その他のポイント

マイクに関しては、 2つのDJIマイクを直接接続した同時収録により、2人でのVlogやインタビューなどが可能になりました。

また両面のディスプレイはLCD(液晶)からOLED(有機EL)高輝度タッチ画面に進化。これによりディスプレイの見やすさや消費電力の節約等が向上しています。

前モデルとの比較表

カテゴリーOsmo Action 5 PROOsmo Action 4
イメージセンサー次世代1/1.3インチCMOS、最大13.5ストップのダイナミックレンジ1/1.3インチCMOS
HDR録画すべての動画仕様に対応するハイダイナミックレンジ、4K/60fpsのハイダイナミック&低照度撮像性能あらゆる動画仕様に対応するハイダイナミックレンジ
画面デュアルOLED高輝度タッチ画面デュアルLCDタッチ画面
静止画最大解像度40 MP9.98 MP
スローモーション1080p/240fps1080p/240fps
駆動時間240分160分
防水性能20 m(防水ケースなし) 60 m(防水ケース使用時)、EN13319認証18 m(防水ケースなし) 60 m(防水ケース使用時)
Wi-FiWi-Fi 6.0、最大80 MB/秒Wi-Fi 5.0、最大30 MB/秒
内蔵圧力計あり。水深と高度を表示。入水、出水時に自動で録画を開始/停止。なし
音声録音48 kHz 16ビット、AAC、デュアルDJI Mic 2直接接続(オリジナル高品質オーディオ)48 kHz 16ビット、AAC、シングルDJI Mic 2直接接続(オリジナル高品質オーディオ)
内蔵ストレージ47 GBなし


Osmo Action 5 PRO 実際の使用感と作例

ここまで書かせていただいたように、これまでのシリーズからサイズ感が変わらないにも関わらず、中身が大幅な進化を遂げたことに驚きました。

特にバッテリーの持続時間向上や内蔵ストレージなどで、様々な場面でも安定した撮影ができることは、アクションカメラを楽しむ上でのとても重要な要素だと思います。

今回はこのカメラを使って、沖縄の海と風景を中心に作例動画を撮ってきました。

上記の動画はすべて10-bit & D-Log M 素材で、オープニングの夕暮れの波はスローモーションを使って撮影しました。こういった水面での撮影は、一般のミラーレスカメラだと大掛かりな防水アイテムが必要になったりしますが、このアクションカメラだと生身の機材のままラフに使用でき、かつ高精細な映像を撮ることができました。

あらゆる面で進化を遂げ、より高画質とタフネスさを兼ね備えたOsmo Action 5 PRO。海・雪・山など様々なシーンで多いに活躍できる、まさに「PRO」の冠に相応しい満足度の高いアクションカメラだと感じました。

●DJI Osmo Action 5 PROの製品情報