フェイユーテックの最新ジンバル AK4500(スタンダードキット)を試してみた~Ronin-Sとの違いは?


FeiyuTech AK4500 スタンダードキット
ファーストインプレッション

Report◉栁下隆之(LimeTec)

フェイユーテックの新しいジンバルとして登場してきたAK4500。最初見た時はAK4000にフォローフォーカスキットを組み合わせたような内容と思ったが、実は全体に大きくブラッシュアップされている。まず、AK4000では4.0kgだった耐荷重が4.6kgにアップされ、より大型の一眼などでも余裕をもったセッティングができるようになっている。そのほか、取り外し可能なハンドル&リモートコントローラーを持ち(ベーシックキットにはなくスタンダードキットに装備)、3軸ロック機構、Tiktok縦撮り機能などなど細かなアップデートが行われているが、ここでは気になる他社機との差に触れながら詳細を見ていきたい。

◎Ronin-Sとの違いと、本機の特長は?
対抗機種としてはやはりDJI社のRonin-Sになるだろう。耐荷重はRonin-Sの3.6㎏に比べて4.6kgと1kg多いのだが、移動速度に対する性能表記の有無があるので、同等の性能と捉えて置いたほうが良いかもしれない。DJI社は車載などで使用した際の安定感をスペックの目安にしている。車の車窓から並走車を撮るなどシーンの想定が前提のあるだと思う。一方、FeiyuTechは一般的なハンドヘルドカメラジンバルとして、人が走る程度の常識的な速度を想定したスペックと思われる。確かに多少早いスピードで振り回した程度では安定感は問題なかった。

▲一眼レフでは大型の部類であるニコンのD850をAK4500に乗せてみた(詳細は後述参照)

ジンバルの本体重量は1656gと、Ronin-Sの1860gと比べて約200g、AK4500のほうがRonin-Sより軽量となる。ただしバッテリー4本約180gを加えると1830kg。筆者はRonin-Sユーザーであるがそう大きな違いは感じなかった。しかし、見た目にスッキリしたデザインで特にグリップ上部はシンプルなデザインなので、見た目の軽さとパン軸下部をホールドするような持ち方にも対応できそうだ。もちろん、電源を切って待機したり、ソフトケースでの持ち運びでも重宝するだろう。パン軸下部がグリップ部と同じくらいの太さなので、分解して持ち運ぶにはとても便利で、少し厚めのノートPC用のバックなどにまとめることも可能だろう。

 ▲ユーザーインターフェイスにも改良が加えられ、タッチパネルの操作部は機能が分かりやすく構成されている。

 

セットアップに関して有利な点はいくつかある。まずは各軸毎にロック構造があること。これは大変大きなポイントと言える。平らなテーブルの上で時間をかけてセッティングできる状況は少ない。そんな時に各軸毎にロックを解除して一軸ずつ調整することで不整地の上に立てた状態でも比較的安全にセッティングができる。仮に倒れそうになって支える必要があったとしても、各軸がグラグラの状態よりは安全に保持できる。

▲中央に見えるのがチルト軸のロック機構。パン軸、ロール軸にも同様のロック機構がある。

次にクイックリリースプレートだが、上下2段構造になっている。AK4000では2段構造ではなかったのでここは実用上での利便性を考えての改善点だ。下部はマンフロット互換、上部はアルカスイス互換となっている。下部はチルト軸の前後バランス調整の機能を担っているが、上部スライド構造はなく着脱だけなので、一度バランスを取った後は、上部のアルカスイス互換プレートで着脱するようにすれば、再セッティングが容易になる。三脚側にもアルカスイス互換の受け側のプレートを用意しておけば、ジンバルと三脚の行き来が楽になる。カメラが1台で頻繁に撮影方法が変わるような場合には大変便利な機能である。筆者も同じ様な方法を市販のプレートで実践しているが、純正のこの仕様になっているのは見た目にもスマートで大変嬉しい機能だ。

一つ注意点があり、AK4500の下部プレートはマンフロット互換の幅なのだが、上部プレートのロック機構の部分が雲台側と干渉するため、取り付けはできてもウンターバランスの調整ができない場合がある。実際にMVH500で試したが、後ろ方向へスライドすることができなかった。後ろからスライドさせても途中で引っかかって完全に差し込むことはできない。使い方として、雲台付属のカメラプレートにアルカスイス互換の受けを取り付けて、AK4500の上部プレートだけを着脱するのがお薦めだ。

各軸の調整幅は充分にあり、グリップの大きな一眼レフでも問題なくバランスをとることができた。今回は一眼レフでは大型の部類であるニコンのD850を乗せてみたが、多機能ブラケットを利用して上下でカメラを固定したい場合はギリギリだったが、バランス調整については上下左右ともに充分余裕があった。メディアスロットを開けやすくするのに、グリップ側は余裕を持ったセッティグをしたいところだが、後クロスアームと垂直アームを干渉しないギリギリにして、クイックリリースプレート部を左右に動かしてロール軸バランスをとってみた。こうすることでカメラを上部クイックリリースで取り外せば、そのままアームを畳んでロックすることができる。再組み立て~撮影開始までが時短できるので、現場のコツとして頭にいれておいていただくと良いだろう。

丸型のグリップは指掛かり的に心配であったが、これが秀逸だった。オプション盛りだくさんでセットアップした場合、どうしても総重量は増加する。撮影しながら握り手を持ち替えたりして疲れにい姿勢を探すことになるが、これが角形のグリップではどうしても持ち方に制約が出てくる。円筒形ならどの方向からも自然に握ることができるので、長時間の手持ち運用ならばこの形のグリップは有りだなという印象を受けた。

▲ベーシックキットは本体のみとなるがmスタンダードキットにはバーサタイルハンドルやリモコン、そしてフォローフォーカスなども同梱する。

 

その他エクステンションロッドや、多目的アーム(バーサタイルハンドル)、ハイパーリンクリモートの詳細については、MOOK(編集部注:12月に一眼×ジンバルのMOOKを刊行します)でもレポートをお待ちいただきたいが、多目的アーム+ハイパーリンクリモートコントローラーに少し触れておきたい。

このリモートコントローラーは本体とリンクしておけば、ジョイスティック、マルチファンクションノブ、ショートカットボタンなど、本体の機能をそのまま制御できる。ローモードでの撮影の場合、このリモコンを保持して撮影すれば楽な姿勢で操作できる上に、アングルのコントロールも違和感なく操作可能で、撮影アングルの自由度が増すのはとてもありがたい。特に低いアングルは遅い速度での移動でも、地面との相対速度が早い移動感を生むので、取り入れたいアングルである。ここは他社との違いとして大きなアドバンテージとなるだろう。

▲スマホホルダーもついていて、モニターとしてスマホを使える。

カメラコントロールやモーションコントロール撮影については、もう少し使い込んでから、MOOK本の中でご紹介できればと思う。

AK4500 ベーシックキット : 79,500円(税別)
AK4500 スタンダードキット: 106,500円(税別)

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